NHKスペシャル「ジャパン・リバイバル “安い30年”脱却への道」(2023年4月2日放送)をご覧になっただろうか。「“安い日本”を脱却し日本経済の復活なるか? 米投資会社・迫真ルポ」とのことだが、正直驚いてしまった。

確かにこの30年、日本のGDPや賃金の伸びは、先進諸国の中で最低。物価安(デフレ)で生活はなんとか維持してきたが、モノやサービスの値段、不動産価格、企業価値も、先進国の中で“最も安い国”になってしまった。これまでこの事実にほとんど触れず、問題視することもなく、今になって「“安い日本”を脱却し… 」、しかも外資頼みとは…。

安いから外国資本に買ってもらい、そのことが日本経済の復活につながる、などというのはとんでもない話だ。どんなに高くても買ってくれる、お金がかかっても日本観光に来てくれる、ということでなければならない。そもそも、異次元の金融緩和による大量の日本円は何に使われたのだろうか?

現下の経済情勢(金融と通貨の危機)を考えれば、海外からの投資にそうそう期待してはいられないだろう。経済も社会も政治も、自力で立て直すしかないのだと思う。



 

 

 

長岡市では新年度(令和5年度)も引き続き、物価・エネルギー価格の高騰という逆風の中で、ポストコロナの成長に挑戦する企業や事業者を支援するため、さまざまな支援メニューを用意した。
今回は昨年度の成果事例とともに支援メニューを紹介したい。

 

 

■イノベーション加速化補助金

技術高度化・新製品開発支援

 〇概 要 製造業または情報サービス業の付加価値の高い新製品・新技術開発を支援
 〇対 象 市内に事業所を有する中小企業等で製造業または情報サービス業
 〇補助額 対象経費の1/2以内(上限200万円)※市公式アンテナショップ出品の場合は上限50万円
 〇昨年度実績 3件
   ・3Dマシンビジョンを用いたばら積みピッキングシステム開発
   ・ARグラスを用いた拡張現実ソリューション開発
   ・クラウドを用いた在席・安否確認システムの機能拡張、新機能の開発

デジタル技術活用支援【デジタル化・ECサイト出店】

 〇概 要 中小企業が取り組む生産性の向上や新ビジネス展開に向けたデジタル化を支援
 〇対 象 市内に事業所を有する中小企業
 〇補助額 対象経費の1/2以内(上限200万円)※ECサイトなどへの出店は上限50万円
 〇昨年度実績 49件
   ・酒類販売管理(酒税計算)ソフト導入による働き方改革事業
   ・多品種小ロット生産に対応した在庫・品質管理システムの構築
   ・ECサイト等のWeb販売サイトへの出店 など

デジタル技術活用支援【介護イノベーション・ハブ開発製品】※新規
 〇概      要 長岡介護イノベーション・ハブで開発した製品等の導入支援
 〇対      象 市内に介護施設を有する社会福祉法人又は医療法人
 〇補助金額 対象経費の1/2以内(上限50万円)

再生可能エネルギー・グリーン新製品開発支援

 〇概     要 製造業事業者が行う脱炭素化の取り組み、再エネ・省エネの製品開発を支援
 〇対     象 市内に事業所を有し、製造業に該当する事業者
 〇対象事業 ①自社所有施設への再生可能エネルギー発電設備の導入(リース、PPAは除く)
       ② 前項①の自家消費率を高めるための蓄電池の導入
       ③再生エネまたは省エネに関する新製品または新技術の開発

株式会社 内野精工〜太陽光パネルを設置して電力の自社消費を実現した例


 〇補助額 ①上限200万円  
      ②, ③ 対象経費の3分の2以内(上限200万円)
 〇昨年度実績 8件
   ・太陽光発電設備の導入 (写真)
   ・屋上設置型の新規小型風力発電の開発 など

 

 

 

 

バイオエコノミー推進支援

昨年度のバイオエコノミー推進支援の活用事例〜緑水工業株式会社の下水汚泥を活用した肥料(粉状)

 〇概 要 バイオ産業の創出に向けた新製品の開発
      設備・技術の導入支援
 〇対 象 市内に事業所または本社を有する事業者
 〇補助額   対象経費の2/3以内(上限200万円)
 〇昨年度実績 3件
   ・アクアポニックスを活用した機能性農作物の開発
   ・稲わらの再生・有効活用
   ・下水汚泥を活用した粉状肥料(写真)のペレット化

 

 

 

事業所用高効率機器導入支援事業補助金 ※新規

 〇概 要 省エネ・温室効果ガス排出抑制が見込まれるLEDや給湯器などの設備導入や
       建物の断熱化等を支援
 〇対 象 市内に事業所を有する事業者・個人事業主・組合等
 〇補助額 対象経費の1/5以内(上限10万円)

 

これら支援制度の申請には期限がある。5月31日(水)までなので、ぜひとも多くの企業から、この機会を捉えて有効に活用していただきたい。紹介した以外にもBCP・事業承継や起業支援、融資など、数多くの支援メニューを揃えている。詳細は、がんばる地域企業支援ガイドをご覧いただきたい。

先を見通すことが困難な今こそ、新しい視点と価値観で課題に取り組み、明るい未来をつくるために大きく踏み出す必要がある。長岡市は、自力で課題解決に取り組む市内企業や事業者を支援し、さらなる地域経済の発展を力強く推進していく。

 


   関  連  記  事 :
 イノベーション加速化補助金 世界を牽引するイノベーション人材 まちづくりとイノベーション都市 長岡介護イノベーション・ハブ NaGaOKa オープンイノベーション イノベーションエコシステム 除雪イノベーション 長岡発ロボットイノベーション 行政事務イノベーション ECサイト「丸ごとながおか」オープン! 教育DXでグローカルな学び!


 タイトル画像:
 緑水工業株式会社の下水汚泥を活用した良質なペレット肥料。粉末よりも散布しやすく、さらに、即効性・持続性が実現した。