「おやま」の愛称で親しまれ、四季を通じ大ぜいの市民らが 訪れる御山町の悠久山公園──。

 

満開の八重しだれ桜(菖蒲園脇

1917(大正6)年の 長岡開府300年記念事業で公園整備が 計画され、日本初の公園デザイナーといわれる長岡安平が設計した。開園は翌1919(大正8)年。牧野忠精ただきよ(長岡藩九代藩主)が造営した蒼柴神社の周辺に、 山田又七らの長岡財界人有志「令終会れいしゅうかい」が寄付した広大な敷地に悠久山公園が整備され、長岡を代表する桜の景勝地となった。郷土史料館(展望施設)や小動物園もある。

今回は、長岡市民の憩いの場である悠久山公園の話題である

 

 

■音声道案内+石碑をAR解説

 

公園内には、河井継之助小林虎三郎など長岡の先人たちの石碑が数多く点在しているので、歴史愛好者たちには格好の歴史散歩道となっている。ただ、漢文による碑文は読むことが難しいため、せっかくの歴史情報を知ることができないというもどかしさがあった。

そんな声に応え、今月10月から石碑を巡るコースの音声道案内と、AR(拡張現実) で石碑や先人の生涯や功績などの解説を体験できるシステムを導入した。これは昨年度、NaGaOKaオープンイノベーション事業でデジタル技術を活用した体験型コンテンツの実証実験を行い、その成果を踏まえて本格稼働を開始したものだ。

 

☆1. 「音声道案内ソフト」を起動する
タブレットでQRコードを読み込む栖吉小6年生


悠久山公園にある大きな案内板の前に行き、QRコードを読み込むと、道案内ガイドの画面に移遷する。いずれかのコースを選び、わがまち歴史探索散策をを始めよう。園内にある23の石碑・史跡すべてを順に巡れるようガイドしてくれる。

 

音声道案内の散策コースは次の3コースだ。

・表参道コース:第5駐車場(長岡大学前)~参道~蒼柴神社
・御山コース:第3駐車場(蒼柴神社北参道)~郷土史料館小動物園~自由広場~第4駐車場(泉翠池脇)
・桜山コース:第4駐車場~令終会の碑~三島億二郎の碑~蒼柴神社

画像クリックでさらに拡大します


興味のある方は、こちらのQRコードから。 ※スマホ(タブレット, PC )と通信環境が必要

 

☆2. 碑文の解説はARで

さらに、それぞれの石碑の近くにある解説板のQRコードを読み込むと、石碑にちなんだ人物がアニメーションで登場し、音声付きで先人の生涯や功績をわかりやすく紹介する。

河井継之助の碑のAR解説 (アニメーションは保存できる)


キックオフイベントでは、栖吉小学校6年生がスマホやタブレットを使い、道案内やARを体験した。子どもたちからは、「先人のアニメーションが楽しかった」「初めて通った道があった」「こんなにたくさん石碑があると知らなかった」などの感想が聞かれた。
今後は他の学校でも、児童の一人一台タブレット端末の活用による校外学習に活用してくれるだろう。子どもたちや教育現場からも「もっとこうしたらいい」など新しいアイディアや改善についてのフィードバックを期待している。英語にも切り替えられるので学習の幅を広げたい場合はトライできる。


もちろん、公園を訪れるさまざまな方々からも歴史散策に利用していただき、秋の紅葉とともに悠久山公園を存分に満喫していただけたらと思う。外国からのゲストを案内するときなどにも使ってみてほしい。(私も英語学習に利用してみようかな?)

 

■次の100年に向け再整備〜子育てエリアも

 

魅力ある公園を次世代に継承していくため、開園100年を機に、令和2(2020)年度から「さくら」「歴史」「自然」「にぎわい」などを柱にした再整備を本格スタートさせた。石碑を巡る音声道案内&AR解説もこの取り組みの一つだ。


現在進めている「子育てエリアの整備」について紹介しよう。

トイレ(改修済み)です


悠久山公園は、子どもや親子・家族連れの利用が多い。園内のトイレの改修を順次進めるとともに、老朽化した大型すべり台や三色亭(団子茶屋)跡地を「子育てエリア」としてリニューアルする。現在、大型すべり台を改修中で、今後は遊具の新設や広場整備を予定している。
子育て世代が楽しく安全に遊べる環境も整え、思い出の“あの悠久山公園”となるようにふるさとの公園として整備していく。

 

 

市民の皆さんの手による公園の環境整備も盛んに行われている。
「未来の悠久山をつくる会」による秋の大清掃と、園内の落ち葉を利用した堆肥作りや、花見の時期の直前に行われる約300人が参加する大清掃(主催:NPO法人「明るい社会づくり運動」長岡 今年で59回目!)などである。

多くの方々が、悠久山公園を未来へ残そうと精力的に活動していることに頭が下がる思いだ。
今後も、市民の皆さんとともに、「悠久山公園」を未来に受け継いでいく。このエリアは、長岡の歴史と自然とのインターフェイスだ。その意味で冬の魅力もこれからの課題としたい。長岡地域だけでなく県内外からも知られるエターナル悠久な場所にするのが、悠久山公園を未来に繋ぐ意義だろうと思う。

 

悠久山公園再整備計画の一環として実施した、市民ボランティアによる桜の植樹(2020年11月7日)〜約50名が参加。私も一緒に公園の桜の再生に取り組んだ


   関  連  記  事 :
 科学博物館70周年 冬キャンプ in おぐに森林公園 良寛を巡る

          
 タイトル画像:
 
石碑への音声道案内・AR解説キックオフイベント(10月2日)。

栖吉小学校の児童が園内を散策し、タブレット端末から石碑巡りやAR解説を体験した。