さきがけ博物館は市民協働の先駆


長岡市立科学博物館は、県内で最も古い登録博物館(新潟県第1号)だ。今年70周年を迎える。
昭和26(1951)年8月1日、悠久山公園の一角(現在の小動物園のところ)に開館した。

悠久山公園時代(正面玄関)


まだ戦後復興のまっただ中にあったときに、同年の博物館法制定を受け、野鳥愛好者らの声をきっかけとして、市民の間から博物館建設の話が持ち上がったという。こうした声に研究者や企業、行政が呼応し、博物館誕生に至った
。驚くべき長岡だ。

まさに市民協働の先駆けであり、「長岡空襲」と「長岡復興祭」の8月1日を開館日にしたことの意味を、長岡市民ならだれもが即座に理解するだろう。

 

 

悠久山時代

長岡の科学博物館は、開館当初から植物・昆虫・鳥獣・考古の4部門を持つ。自然科学人文科学の両分野をカバーするのは当時としてはたいへん珍しい存在だった。この先取性は、科学博物館の大きな特徴といえよう。現在も、地学・植物・昆虫・動物・考古・歴史・民俗・文化財と、多彩なフィールドを持つ総合博物館は、県内では長岡市立科学博物館のみである。

 

 

柳原分庁舎時代〜2・3階に

御山おやまの博物館」と呼ばれ、市民に親しまれた科学博物館は、その後、昭和53(1978)年に長岡市役所柳原分庁舎へ移転。

さらに平成26(2014)年に、現在のさいわいプラザに移ってリニューアルオープンした。開館からこれまでの来場者は170万人を超える。

 

 

70年のあゆみを公開
妙見で発見されたヒドロダマリス属海牛標本の全身復元骨格(常設展示)


いま、70年のあゆみと活動を紹介する記念展示を行っている。

先人の事業を受け継ぎ未来を切り開いていく━━  これが記念展示のメッセージだ。70年前の開館当初に展示していた昆虫標本や植物標本など、普段は見ることのできない貴重な資料の数々が展示されている。

8月31日(火)まで開催しているので、お見逃しなく!
あわせて常設展示もご覧ください。ぜひ、多くの方からお運びいただきたい。

 

 



博物館のこれから


近年、科学博物館では、時代の変化による学習ニーズに対応しながら、新たな展示や講座等を企画し、学校教育との連携に力を入れて取り組んでいる。

 

常設展示のユキヒョウの前で

 

現在の植物標本は樹脂(レジン)使用で色劣化がない

科学博物館の強みは、自然系・人文系の多彩な分野の資料が数多く揃い、各分野の専門家である学芸員がいることだ。専門の研究分野を持つ学芸員ならではの視点で、実物資料を活用して行う学習や体験を重視した教室などは、市内の小中学校や市民の皆さんから大変喜ばれている。博物館だからこそできる多様な事業は、今後ますます価値がみとめられ、需要が高まっていくと思う。

 

特別な薬品処理した標本にさわれる(鳥/藁ぐつ)

ウイルス禍をきっかけに、アナログよりデジタル・直接でなく間接でも・バーチャル現実で効率的に・面接もリモート━━などの動きが急速だ。こうした社会環境の急激な変化の中、子どもたちが自然や歴史に触れ、学ぶ環境を守っていかねばならない。インターネット検索や疑似体験だけで、子どもの真の成長や自己形成は望めないからだ。


もちろん、博物館もまたICTアイシーティー技術を活用した取り組みが求められている。学芸員の活動や研究が動画で配信され、誰でも自由に見ることができたり、専門的に学びたい人がリモートで学芸員に話を聞くことができれば、より博物館の入り口が広がり身近に感じられるだろう。そして、あくまで長岡の自然や歴史に触れ、五感を通して学ぶ機会をつくっていきたい。

ウィズコロナwith – coronaポストコロナpost – coronaの時代に対応するためにも、新しい方向性を打ち出し、総合博物館の特色を最大限に生かして、より身近で親しみやすい博物館を目指してゆく。

開館70周年記念展示




〇長岡市立科学博物館:
 長岡を時間と空間の視点から広く見渡し、多部門の豊富な資料を展示し、長岡の自然と歴史を紹介
 所在地:長岡市幸町2丁目1番地1(さいわいプラザ内)
 開館時間:午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
 休館日:毎月第1・第3月曜日(祝休日の場合はその翌日)
     年末年始(12月28日~翌年1月4日)
 常設展示室:   
    ・長岡の大地のおいたち・・・海牛化石・復元骨格など
    ・長岡のおいたち・・・考古資料・歴史資料など
    ・長岡のすがた-山間部/平野部/海岸部の自然と暮らし・・・長岡の生きもの・人の暮らしの道具など
    ・重要文化財と受贈資料の展示
企画展示室:
    ・時節に沿った話題や研究成果などを紹介
※7月6日(火)~8月31日(火)まで、開館70周年記念展示「長岡市立科学博物館70年のあゆみ」を開催中
市民ホール(さいわいプラザ1階):
    ・海牛親子復元模型、長岡市の文化財(映像)
入館料:無料
交 通:JR長岡駅大手口10番バス停から約8分「市立劇場前」バス停下車 、またはJR長岡駅より徒歩30分
駐車場:建物東側のさいわいプラザ駐車場をご利用ください。
備 考:学芸員による展示解説は事前のお申し込みが必要です。館内禁煙、飲食禁止。
問い合わせ:科学博物館 電話/0258-32-0546 FAX/0258-36-7691

 





   関  連  記  事: ながおかスポーツコンパス スクールICT  教育構想“エデュ-ダイバー”
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 悠久山公園時代の科学博物館