日本の高齢化率(総人口に占める65歳以上の割合) は28.9%、そのうち後期高齢者(75歳以上)は1,867万人で、総人口に占める割合は14.9%と なっている(令和4年版高齢社会白書)。そして2030年には総人口の約20%にあたる2,300万人が後期高齢者となり、その多くが健康寿命を超え、介護や支援が必要となることが想定される。

しかしながら、介護業界は人手不足が深刻で、2020年から2025年までに約29万人の人材不足が指摘されている。介護人材の確保は猶予なしの課題だ。

 

今回は、長岡にとっても深刻な課題、介護人材の確保についてである。

 

 

■ 介護人材確保に向けた取りくみ


長岡市はこれまで、①短期、②中期、③長期の視点で、介護人材の確保に向けた取りくみを進めてきた。

①介護人材のスキルアップ支援(短期)

長岡市では、介護職員のスキルアップ、そして未経験者や資格を持たない方の採用促進などを図るため、平成28年度から「介護福祉士実務者研修」の受講料の一部を補助する制度(上限75,000円)を設けている。

「介護福祉士実務者研修」は、介護の実務3年以上の経験者が、介護福祉士国家試験の受験資格を得るために必要な研修であり、これまでに補助制度を利用して約460人が受講している。ここから国家資格取得につながり、介護人材の確保と離職防止につながっている。

 ②専門学校への支援(中期)

今年度は、市内の介護職養成専門学校4校への就学を支援するため、新たな支援制度──入学時の諸費用(入学金/授業料/テキスト代等)として1人5万円を支援──を創設した。今年度の4校の入学生は、昨年度よりも約15%増え、71名に増加している。ぜひ介護福祉士として、長岡で活躍してほしい

 ③ながおか介護職イメージアップ研究会の提案(長期)

先月16日(金)、長岡介護職イメージアップ研究会の皆さんから、プロジェクトチームで取りまとめた介護人材確保の“長岡モデル”の提案をいただいた。
※特別養護老人ホームを運営する14法人と専門学校4校からなる研究会(平成29年度発足)。市も協力しながら介護職のイメージアップのためのさまざまな取り組みを実施してきた。

「ながおか介護職イメージアップ研究会」の皆さんが介護人材確保のための取り組みを長岡市に提案 R4.12/16(金)

 

 
研究会によれば、現在、市内の介護職員は約4,500人で、最低の配置基準は満たしているものの、「きめ細やかで手厚い介護」のためには、高齢化率のピークを迎える2040年までにさらに約1,000人の人材を確保する必要があるという。

提案いただいた内容は次のようなもので、いずれの提案も、介護関係者と力を合わせ市政の重要課題として取り組んでいくことを約束したところだ。 

<主な内容>
 ○小・中・高校へのアプローチ事業
  ・教員や保護者向けに介護職の現状の正しい情報を発信
  ・介護職を身近に感じてもらうための出張授業や車いす体験
 ○異業種向け事業

  ・企業に向けた介護離職防止セミナー
 ○ICT推進交流会

  ・職員の負担軽減に向け、ICT化による先進的な取り組みの事例発表や先進地視察

 

 

■ 外国人材の活用とDX

長岡市としては、今後、外国人人材の適切な活用・介護現場の負担軽減・務の効率化を図るICT化、DXに力を入れていく。

すでに「長岡介護イノベーション・ハブ」を通じて、ICT/ IoT /ロボット技術による新しいサービスの利用・介護者の身体的負担軽減や作業時間の短縮化・災害での避難対応などに取り組み、実証実験もスタートさせている。

持てる技術をいかに応用するか──どのように使えば現場で役立つのか?──を、実際に使うサイドの声を容れて探求し、しっかり実用化してゆくことが急がれて・・・・いる。そのため、長岡の産学官金民がオールインワンで連携するイノベーション・バブの成果に関係者は大きく期待している。

例えば、過去のブログで紹介した「LINEラインを使った情報伝達システム」は、いよいよ本格導入に向けて準備を進めているところだ。

写真のスマホ画面は、職員を招集をするときの LINEの画面(長岡介護イノベーション・ハブで試作)。SNSの便利な機能(グループ機能など)を使って呼びかければ、緊急時でも迅速に職員が出勤できるかどうか把握できる。

身近になったICTで、ちょっとした発案と工夫がイノベーションにつながる。現場の声をもとに、オープンイノベーションを広げていきたいと思う。

 

 

とはいえ、介護人材の確保は、正直なかなかむずかしい問題だと思う。
介護を必要とする人口の増加に対して、介護する若年層人口の減少を考えただけでも、大きなミスマッチがあり、介護費用(財源)をどうするか?という大問題にぶちあたる
。このままでは、日本は将来の介護問題を解決できないのではないか.、との危惧を否定できない 。医療も含めた社会保障を、たとえば北欧型なども参考にしながら、国民合意のもとで再構築する必要がありそうだ。

介護は命を見守る大きな使命とやりがいのある仕事だ。生涯にわたって市民生活を守るため、考えられるあらゆる可能性を探求し、介護の「長岡モデル」の構築をめざしていく。

 


   関  連  記  事 :
 長岡介護イノベーション・ハブ イノベーション加速化補助金  フェニックスネット


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令和4年9月17日(土) すこやか・ともしびまつり「介護士体験」(アオーレ長岡ホールB、C)