ＥＣ（Electronic Commerce：電子商取引）の市場が広がり続けている。
ご存じのとおり 新型コロナウイルス禍で外出自粛が推奨され、非接触型の消費行動 であるＥＣの利用に拍車がかかった。物販はじめ各分野で市場が拡大しているようだ。 下表出典：経済産業省『令和3年度電子商取引に関する市場調査報告書』
新たな事業展開や販路拡大の方策の一つとして、ＥＣサイトが常識化してきている。
今回は、長岡におけるＥＣサイトの活用・利用促進の取り組みを紹介しよう。
■長岡市公式ショップ「丸ごとながおか」をオープン
昨年１１月３０日、国内最大級のインターネットショッピングモール「楽天市場」内に、長岡市公式アンテナショップ「丸ごとながおか」をオープンした。まずは、青字のリンクから跳んで行って見ていただきたい──。
いかがだろうか？
ショップサイトには、日本酒や米・米菓などの食品をはじめ、アルミ鋳物製ぐい呑みなど幅広いジャンルから「長岡ならでは」の逸品がラインナップされた。
「丸ごとながおか」では、小規模事業者に新しい販路を見出してもらうべく、サイト開設コストや運営ノウハウ不足といったＥＣ参入へのハードルを下げている。規模にかかわらず、事業者が直接消費者とつながって全国展開できるのは、画期的なことだ。いろいろな物産が１つのネット店「丸ごとながおか」に集約されているので消費者目線でも便利で楽しいお店になっているのではないだろうか。
論より証拠──
２月の１か月間、楽天市場内で開催した「長岡ＷＥＢ物産展※」は大盛況で、物産展で使えるクーポン（税込み3,000円以上の購入で使用可）12,800枚がなんと５日でなくなるほどの人気ぶりだった。
※「丸ごとながおか」出店者(５９事業所)と、すでに楽天市場に出店している市内の事業者から５４店舗、合計で１１３店舗参の参加で開催された。
長岡産品が選ばれる魅力を持つことを、出店者の皆さんは実感したはずだ。実際、食べ物(飲み物)は抜群においしいし、グッズは創意工夫にあふれている。とりわけ食の美味しさについては、東京に住む人たちからイヤというほど聞かされている。
販路が広がるＥＣサイトの強み、世界中のどことでもつながるネットの可能性、そして“グローカル”の意義が分かっていただけたのではないかと思う。
現在、「丸ごとながおか」への出品数は約２７０品と、当初の見込みを超えるペースで順調に増えている。この波に乗って、長岡全体のＥＣ活用のすそ野を広げていこう。
■“結果を出す”をバックアップ
「丸ごとながおか」の開設は、昨年１月に締結した市と楽天グループの包括連携協定に基づく取り組みの一つである。昨年８月に「長岡市ＥＣサイト活用販売協議会※」を立ち上げ、ＥＣサイトの利用促進を図るためさまざまな取り組みを進めてきたものだ。 ※長岡市、長岡商工会議所、長岡地域商工会連合で構成
ふりかえってみよう。
○新規出店者・既出店者向けセミナー
楽天のＥＣ担当社員が、ネットショップの基礎知識や売れるためのポイントを参加者に直伝。このセミナーをきっかけにＥＣサイトに参入した実績も生まれている。
○中上級者向け育成塾
既に出店している事業者には、販売力増進に向けた育成塾（連続講座）や、ＳＮＳ活用講座を開催し、出店者ニーズや段階に応じたサポートを実施している。
いずれの参加者からも「実績のある講師の説明がとても分かりやすく勉強になった」「実践的な内容だったのですぐに活用できそうだ」と好評だった。
○長岡市イノベーション加速化補助金（デジタル技術活用事業）
市では、この補助制度の中でＥＣサイトの補助メニューを用意。新規出店者セミナーと連動して制度の説明を行うとともに、当初の募集期間を延長して申請を受け付けたところだ(現在は終了)。
・対象 市内に事業所を有する中小企業者等全業種
・金額 ＥＣサイトへの出店に係る経費の1/2（50万円上限）
・採択数 ８件（※ＥＣサイト等への出店事業に関する件数）
今後、ＥＣサイト出店の動向をみて、追加の支援策を考えていきたい。乞うご期待。
長岡市へのふるさと納税も成長を続けている。今年度は、初めて２０億円に到達した昨年度を超え過去最大となる見込みだ。これもまた、ＥＣ（ネット通販）の一部ともいえる。
ＥＣは私たちの生活を変えてきた。オンラインショッピングは、もう必要不可欠なインフラだ。カスタマーレビューが充実するほどネットショッピングの質が向上する──賢い消費行動がいい製品をつくる大きな力になることを自覚して利用するのは意義深い。市民のみなさんも大いに「丸ごとながおか」をご利用ください！
長岡市はこれからも、チャレンジを続ける事業者への支援と、地域の魅力発信を両輪として進めていく。
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