去年8月、“日本の高専がアフリカ支援” というニュースが話題となった。どこの高専かはお分かりだろう、そう、長岡高専のことだ。アフリカ とはケニアで、ここで出てくるアメリカミズアブとはごく小さいミズアブ科の昆虫(画像)のことである。 詳しくはリンク参照

 

この昆虫の幼虫ワームは、知る人ぞ知る“優れた栄養源”で飼料効率の高いエサ(家畜・魚・ペットの)となる。しかも、生ゴミを食べてくれる。廃棄処理と食糧生産をつないでくれる優れものというわけだ。
《効率的な農業生産システム→食糧事情改善》を課題としてきたアフリカ・ケニアでは、家畜に食べさせるため、生ゴミでアメリカミズアブの幼虫を育てている。しかし、
ゴミの中にいる幼虫を手作業で選り出すため、膨大な時間と手間がかかることが大きな課題だった。

そこへ助っ人として名乗り出たのが、わが長岡高専の若者たちだ。
筒状の“ふるい”「アメリカミズアブの幼虫を分別する装置」を開発し、手作りの試作機を現地に持ち込んで高い評価を得たという。作業時間10分の1に短縮という成果を出したのだ。すごい行動力だ!
その後、試作機の耐久性に問題があったことから、長岡産業活性化協会NAZEが技術面で協力し改良版(タイトル画像)が完成した。改良版装置は、新型コロナウィルスの収束をみて、ケニアへ届けられる予定だ──。

 

 

──そしてこのほど、若者たちのチャレンジをさらに強力に支援する体制が整った。
7月16日(木)、「長岡モノづくりエコシステムとアフリカを繋ぐリバースイノベーションによるアフリカと地方の課題解決」をテーマに掲げ、長岡高専と  国際協力機構(JICAジャイカ)アフリカ部とが連携協定を締結した。

長岡産業活性化協会NAZE長岡技科大とも協力体制を組んで、長岡高専の若者をオールNAGAOKAながおかがバックアップする。
この進化版テーマが画期的なのは、ミズアブがもたらす自然循環のみならず、プロジェクト自体が循環型となっている点だ。「アメリカミズアブの幼虫を分別する装置」のビジネスモデルを日本に逆輸入し、リバースイノベーションとして長岡へ展開する──地球レベルのやりとりが○○機関などという中間組織を介すことなく叶うのだ。
長岡の食品会社から出る残渣ざんさをミズアブの餌にし、飼料や肥料に活用する事業は8月にもスタートする予定で、この技術・製品による起業と長岡のエコシステムへの寄与が期待されている。
世界を循環型に組み直さなければ、人類が生き延びる可能性はないと思う。

頼もしいことに、後輩たちによる“アフリカの課題を解決する新事業(その2)”も始動を始めたそうだ。体温自動測定装置の開発などなどである。新プロジェクトは、感染症禍をも考えたグローバルスケールの展開が期待される。

ぜひ、新事業に取り組む長岡高専・専攻科の1年生(4年制大学でいえば3年生)のみなさんには、自由な発想で、固定観念をさらりとかわし、課題に立ち向かってもらいたい。

私も、既成の壁を取り除きながら、新しい課題に取り組む環境づくりの支援をしたいと思う。

 

 


 タイトル画像: 新事業に取り組む長岡高専・専攻科の1年生たちと「アメリカミズアブの幼虫を分別する装置」の改良版。後輩たちは長岡の食品製造残差処理のビジネスモデル構築にチャレンジ!