循環型農業の最新形といわれる「アクアポニックス」は、魚と植物を同じシステムの中で育てる新しい農業である。
【 養殖している魚の フンを バクテリアが分解→これを植物が養分として吸収すると、水が浄化される→きれいな水は再び魚の水槽へ戻る  】と循環する。エコシステムだ。水はいっさい捨てない、換えない。そして、無農薬・無化学肥料(有機栽培)。「究極のエコ農業」と呼ばれるゆえんだ。

1980年頃のアメリカで発祥し、現在、オーストラリア、ドイツ、イギリス、ドバイ、そして日本へと世界的に広がりを見せているという。

 

アクアポニックスの最新工場が長岡で稼動しているというので訪ねてみた。
広さ約1,000平方メートルの敷地に新しい施設が建っている。内部にお邪魔すると、そこは、静かで明るく清浄な空間だった。隣接するデータセンターのIT機器の廃熱を水温・室温管理に利用し、さらにIoTを活用して、野菜を栽培すると同時に高級食材キャビアで知られるチョウザメを養殖している。

水耕栽培:ルッコラ、スイスチャード、ビーツ、クレソン、スナップエンドウ、ローズマリー、にら、しょうが、わさび、いちご
水産養殖:チョウザメ(キャビア)

 

 

まだ幼いチョウザメたち古代魚の一族らしい

 

 

いけすからきれいな水のにおいがする。汚泥がほとんど出ないコンパクトな浄化装置には驚いた。浄化はろ過剤に棲みついた微生物(バクテリア)の力によるものだ。特別な微生物ではなく、どこにでもいる微生物だという。

 

 

スイスチャード(水耕栽培)の根を観察みっしり伸びて元気を証明していた

 

スイスチャードという葉脈がカラフルな菜っ葉はかなりの密植だが、無農薬ですこぶる健康に大きく育っている。試食させてもらったところ、以前食したものよりエグみがなくとてもおいしい。
通常の植物工場と比べると、初期費用は4分の1、ランニングコストも10分の1で済むという。省エネの優等生だ。

循環型農業の未来形が長岡に誕生したことを歓迎したい。そして、脳裏に浮かんだのがこんな方程式だ。

 

循環社会 = 共生社会

 

世界をありのままに認識し、その法則にのっとって生きる──これが生命体としての究極の幸せなのではないか。こころ狭い “ムラ”を出て。

 

 

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