中小企業の製造過程や経営のデジタル化に寄与したい、というベンチャー企業が長岡に誕生した。 長岡高専生まれの株式会社 IntegrAIだ 。
人工知能(AI)やモノのインターネット(IoT)による技術革新は目覚ましい。そこへ、新型コロナウィルス禍だ。大企業を中心にリモートによる新たな方式や仕組みが一気に導入されようとしている。
しかし、中小企業においては、モノづくりが得意な長岡でさえ、実装(現場でのAI・IoTの活用)は、まだまだこれから、、という段階だ。まず、生産や営業など現場データがデジタル化されないと前に進めない。
中小企業のデジタル化が進まないのは何故か? どうしたらいいか?
彼らIntegrAIの視点は、課題解決的(デザイン思考 : デザインシンキング)で実践的だ。
低コストでデータをデジタル化し、生産の効率化を提案する。古いアナログ表示のメータを人工知能搭載のカメラで読み取り、デジタルデータに変換するというものだ。ストレートな発想だからこそ力を発揮する。
※もちろん、デジタル表示メータもデータ化できる。
例えば、工作機などの各種メータ機器から得られたデジタルデータを保存・解析することで、生産管理・QC・業務改善・生産性の向上へつながる提案をしていく。
活用例はこんな感じだ。
(1)金属加工業では──温度メータの表示温度をAIカメラで電子化し、高精度リアルタイムに温度を管理し、不良品を減少させる。
(2)計器製造業では──デジタル表示のメータを毎回作業員が読み取っている。読み取りミス防止用の高価な機器も存在するが、AIカメラによるデジタルデータ化は低コストで効率化を実現する。
(3)各種中小工場では──様々な加工や製造履歴、注文書を紙に記録していて、時間がかかるうえミスも生じやすい。書類やメータ表示なAIカメラで電子化して情報共有し、生産管理の効率化と品質改善をする。
同社は、「長岡市スタートアップ創出補助金」の創業第1号だ。
中心となっているのは長岡高専生(モンゴルからの留学生)2人で、昨年度の全国高専ディープラーニングコンテストで最優秀賞と企業賞を受賞している。 IntegrAIは、このコンテストで評価された作品METERAIを発展的に事業化したものだ。
地元の中小企業から、ぜひ低コストのデジタル化の波〜を起こしてもらいたい。
デザイン思考(デザインシンキング)は、キーワードだ。
タイトル画像: おなじみのメータや計測機器はそのままに!
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