モノをインターネットにつなぐIoT ( Internet of Things ) の普及率は、2030年に8割を超えると見込まれている。
IoT導入 の課題の1つは、データをやり取りするネットワークをいかに構築するか──Wi-Fiでは遠くまで飛ばせない、携帯電話網やLTE通信網はコストがかかる──であるが、「LoRaWAN(ろーらわん:Long Range Wide Area Network)」という無線通信技術なら「低消費電力で長距離のデータ通信が可能」だ。
しかも、無線局免許が不要で、通信速度50kbpsと低速ながら通信距離が長い(約10km)。誰でも低コストでシステムを構築・運用できるオープンなIoT通信のネットワークとして、発祥地オランダから世界各国に広がりつつあるという。
そこで市内企業のIoT導入を促進するため、「ものは試し」と勉強会を開催したところ、市内のものづくり企業やIT企業の技術者をはじめ、研究者や学生(長岡高専)の参加があった。ネットワーク構築の概要を学んだあと、実機を使用したデータ取得の流れについて学んでもらった。
今後、こうした簡便なネートワークが普及し、温度や湿度、位置情報などを検知する機器(センサー機器)と組み合わせれば、高齢者の見守りをはじめ効率的な除雪車の出動など、さまざまな分野で市民生活の向上が期待できる。
すでに「長岡IoTイノベーション・ハブ」などによって、IoTの普及を進めているので、引き続き、いろいろな情報から成果を引き出すアクティブマインドの醸成につなげてゆきたいと思っている。
実際、この場で、「さっそく学内に基地局を設置しよう」と高専の先生が反応してくださった。論より証拠というわけで、やってみる→自らの体験として分かる→アイディアを加える→便利に使えるようにする‥‥というように内発的な力が生まれ、創造への道につながってゆくと思う。
これが、なんと、私たちが個人でパソコンや周辺機器を買う感覚でスタートできるのだ! この時代環境を好機としてみんなでとらえていこう。
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