長岡市では、新たなまちづくりの拠点となる 米百俵プレイス (仮称) の整備を進めている(大手通坂之上町地区・市街地再開発事業)。
先月26日、 本事業の安全祈願祭・起工式が行われ、施工業者や地元関係者など約50人で建設工事の無事故を祈った。

 

 

米百俵プレイスが継承するもの

 

米百俵プレイス(仮称)が建つのは、“米百俵の精神”で建てられた国漢学校の跡地だ。小林虎三郎の「人づくりはまちづくり」という教育第一主義を今に伝える歴史的な場所である。

むろん、“場所”自体に意味や価値があるわけではない。この場所からわがまちをどうしていくのかというメッセージを出すことで、意味や価値が生まれる。米百俵の精神をまちづくりにどう生かしていくか? それがこの事業の大きな課題であり目的だ。

米百俵プレイス(仮称)


この再開発事業は、長岡市・第四北越銀行・長岡商工会議所・権利者の方々との共同事業で実施している。敷地面積は、旧大和長岡店跡地・長岡商工会議所敷地・第四北越銀行長岡本店など、約1.7ヘクタールに及ぶ。


 

 

 
ビル4棟がコンボ

 

 
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米百俵プレイス(仮称)は4棟で構成される。

① 米百俵棟・西館 
②  〃  ・東館
③ 住まい・にぎわい棟(居住エリア(マンション))
④ 駐車・にぎわい棟(クリニックや駐車場など) 

このうち、長岡市が整備するのが、米百俵棟の西館と東館の「人づくり・学び・交流エリア(仮称)」(上図左の赤枠エリア)である。
西館3・4階(下図左)に、互尊文庫を移転し、「まちなか図書館」を整備する。また、小・中学生が交流しながら学べる「子どもラボ」や、高校生から社会人まで若者がやりたいことを見つけ、チャレンジできる「若者ラボ」が入る。

 

 
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5階にはイノベーションの拠点を整備する。

◎ “長岡”が培ってきた技術と産業集積の可能性を産官学金連携で引き出し、若者の起業創業や企業や働く人を総合的に支援する(産業振興の拠点)
◎  NaDeC BASEナデックベース でのこれまでの活動やノウハウを活かし、次世代を担う若者や4大学1高専の学生・研究者・産業界の方々など、幅広い世代が交流する(人と情報の交流拠点)

 

ほかに──、

・西館と東館の3階の連結スペースに屋根つきの緑ある広場を創出
・1階部分は“にぎわい空間”に〜コミュニティ道路や歩行者天国でイベント開催〜

これら多様な空間と機能は、アオーレなどの行事とコラボレーションすることができる。「長岡の顔」である中心市街地のにぎわいの創出や活性化も実現するだろう。

 

 

 

先行オープンは令和5年度

いま、だれもがウイルス禍で行動を制約され、やりたいこともやれずに我慢している。経済上、生活上の問題に直面してもいる。すべてが元どおりになるものだろうか?
ただ嵐が過ぎるのを待つのみでは、コロナ後の社会に適応できなくなるだろう。苦難をチャンスに変えるのが長岡の先人たちがとってきた戦略であり、10年先、100年先の長岡を創っていくための「未来への投資」が必要だ。新しい発想で未来を呼び込み、ダイナミックな人づくりと産業振興に取り組んでいこう。

「人づくりと産業振興」の拠点・米百俵プレイスの先行オープンは令和5年度だ。

 

名称募集や現場見学も!

現在、「人づくり・学び・交流エリア(仮称)」の名称を募集している。どなたでも応募は可能で、市の各施設窓口に設置されている専用「応募はがき」のほか、インターネットでも受け付けている。ぜひ、多くの方からの応募をお待ちしている。

また、このエリアの現場見学会が5月16日(日)にある。建設工事現場で設計者による説明やVR(仮想空間)動画を使った施設紹介など、興味深い内容満載。建設が始まった今だからこそ体験できる。関心のある方から、ぜひ、参加いただきたい。

 

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 タイトル画像:まちなか図書館イメージ(西館3F)