7月22日(土)、「米百俵プレイス ミライエ長岡」がオープンした。

2日間にわたる オープニングイベントは市民をはじめ大勢の来場者でにぎわっ た。前回の記事では、ミライエ長岡の歴史的な意味新しい互尊文庫について紹介したが、今回はミライエ長岡のもう一つの顔「イノベーションの拠点」について紹介しよう。

 

「NaDeC BASE Kick-offキックオフ」シンポジウム(22日)の参加者の皆さんと一緒に

 

NaDeC BASEナデック ベースを拡充して整備

 

平成30(2018)年4月、長岡市は4大学1高専・長岡商工会議所と「NaDeC構想推進コンソーシアム」を設立し、イノベーション人材の育成とイノベーションによる産業振興に取り組んできた。

その活動拠点であるNaDeC BASE(当初は市民センター地階に設置)は、大学間連携や産学連携を進めるオープンなコラボレーションスペースとして活用され、起業創業・産業振興に関する各種イベント、セミナーなども開催してきた。多様な人材──企業人・起業家・学生・研究者など──が集まり、交流が生まれる場となった。

一方で市は、KDDINTT東日本楽天グループ経済産業省関東経済産業局と連携協定を締結し、イノベーション政策をマルチに積極展開してきた。これはNaDeC構想による取り組みが評価されたものであり、知や情報技術やノウハウを発展的に活かすためのオープンスタンス──長岡ならではの精神風土(米百俵の精神雪国マインド)がこのスタンスを確かなものにする──が認知されたものと思っている。

このイノベーションの拠点・NaDeC BASEを、ミライエ長岡5階に拡充整備した(占有面積で約3倍の1,300㎡ほど)。主な機能や施設は以下のとおり。



イノベーションサロン
産学官金の連携による新規プロジェクトの創出や、コワーキングスペース(有料)、60席のフリースペース、ワークショップやミーティング・会議にも活用できる個室、Web会議や打ち合わせ用のブース、などを設けている。ビジネス支援セミナー、交流イベント等、さまざまな会合・イベント会場としても利用できる。
このイノベーションサロンは、NaDeC BASEの中核施設で、利用者の活動をバックアップする「協創メンバー」や「協創コーディネーター」、産学連携や起業をサポートする「産学連携コーディネーター」「起業支援メンター」などが配置されている。あらゆる視点からイノベーションに関するマッチングを行い、悩みや課題の解決、連携・協創・アイデアの実現を図っていく。

 

ものづくりラボ(5階)

3Dプリンターやレーザーカッターなどの最新のデジタル機器を備えたスペース。自由に試作品やオリジナル作品を作ることができ、アイデアを形にする創作活動を支援する。

○NaDeCギャラリー
市内企業が持つ優れた製品やシステム、研究開発プロダクト、長岡造形大生の作品を展示。作品を通して新しい価値観に触れ、ビジネスマッチングの促進や新しい着想・発想を得る機会を提供する。

 

3Dプリンタやレーザーカッターを備えたスペースで、自由に試作品やオリジナル作品を製作できる
ものづくりラボのオリジナル作品づくり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

CLIP長岡

NaDeC BASEでは、CLIP長岡の起業支援(起業相談)も受けることができる。こうした支援も含め、これまで以上に重層的で効果的なサポートができるように体制を成長させていきたい。

 

■開かれた企業・大学の研究拠点

ミライエ長岡には、産学連携、新産業の創出に向けた研究開発の拠点も整備されている。


ギャラリーラボ

産学協働の研究開発拠点。現在、長岡技術科学大学が入居し、バイオ技術を活用した資源循環によって地域課題を解決するプロジェクトを進める(詳細はこちら)。

コラボレーションオフィス
6階の第四北越銀行のフロアには、貸しオフィスを用意した。

ベンチャー企業やスタートアップが入居し、新産業創出のための開発・研究が行われる(5社が入居)。この1つ、NTT東日本は、実証実験と交流スペース「スマートイノベーションラボ NESTネストnagaoka」を整備(日本海側で初めてとのこと)した。


いずれの施設も、先進的な知見や技術、研究成果を、来館者が観たり体験したりできるなど、開かれたものとなっているのが特徴だ。

NaDeC BASEをはじめミライエを利用する企業や大学との連携・交流による相乗効果でイノベーションのスパイラルを産み出していこう! ミライエに来れば何かある、訪れた人たちが、新しいアイデアを考え出す、ハッと閃く──そんなスペースに育てていくため、多くの方々のご参画をお願いしたい。

NESTnagaokaの Nest-IMAGINATION(想像の巣)〜アイデアを創出するスペース。中央左にあるのは「瞑想ポッド」。これから行われるという瞑想効果の可視化実証も興味深い。

 

 

 

■長岡の復興、産業発展のアーカイブ

6階の「第四北越ミュージアム」は、第四北越銀行が創立150年を記念して整備したものだ。ここでは、長岡とともに発展してきた北越銀行の歩みや、長岡の復興、産業の発展の歴史を伝えるため、銀行創設に尽力した三島億二郎岸宇吉や、交流のあった渋沢栄一などの資料が展示されている。資料を通じて金融や長岡の歴史を学ぶことができる場となっている。子どもたちはもちろん多くの市民の皆さんからご覧いただきたい。

 

 

ミライエ長岡のフルオープンは東館が完成する2年後(令和7)だ。東館には、市の商工部や長岡商工会議所、ハローワークプラザが移転し、産業ビジネス支援の一大拠点が誕生する。

フルオープンに向け、西館を拠点とした活動の成果を上げ、これまで培ってきた各機関との連携をもとにオープンイノベーションの場をつくっていく。
長岡の明るい未来をつくるため、人材育成と産業振興を推進していこう。

 

長岡バイオエコノミーコンソーシアム主催「バイオサロン」(23日)。ビジネス資源としての雪の利活用をテーマに開催。雪室貯蔵による食品製造・販売事例や雪の利活用の取り組みについて発表された。
 

 


   関  連  記  事 :
 集えメイカーズ! 米百俵のまちへ 開かれた「場」をつくろう 世界を牽引するイノベーション人材 新しい働き方 “コ ワーキング まちづくりとイノベーション都市

     
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7月22日(土)オープンを迎えた「米百俵プレイス ミライエ長岡」