初のサミット開催

3 月29日 (月)、NaDeC BASEナデック ベース (ながおか市民センター地下1階)で 「 長岡起業家サミット 」を開催した。若い 起業家同士の連携強化と新たなつながりを創るイベントだ。長岡市の支援制度を活用した学生起業家が一堂に会するのは初めてである。


ゲストは県内ベンチャーキャピタルや先輩起業家。
さらに、東京・渋谷にある会員制産業交流施設「SIBUYA QWS渋谷 キューズ」とオンラインでつないだ。


長岡起業家サミットin NaDeC BASE




サミット参加者の発言をピックアップしよう

■市内の他大学の講義を受けたことが起業のきっかけになった。挑戦する場があることが大事だと思う。

■長岡市のスタートアップ創出補助金が起業のきっかけになった。地方での起業を盛り上げるには、独立系ベンチャーキャピタルや、大規模イベントによるきっかけづくりが必要だ。

■「長岡を盛り上げたい」という思いが強くなって東京から戻ってきた。会社を経営するには、総務や経理の知識、営業力、そして人脈が大事。これまでの経験を生かして、若い起業家の皆さんをサポートしていきたい。

■収益力を上げて雇用を増やし、税金を長岡市に納める。そして、長岡市が新たな起業家を支援していく、という循環が生まれることが『地域貢献』になる。そのために、ビジネスモデルを早く固めて、より広いマーケットでチャレンジし、競合にもまれながら成長してほしい。ベンチャーキャピタルとして皆さんを支えていきたい。

 

チャンスは大きい

社会経済環境が激変する中で、当たり前と思っていたことが見直され、社会ニーズが一変する時代になった。
今まで多くの人が経済的な成功
をめざし、何が儲かるか?という基準で
ビジネスチャンスをモノにしてきた。だが、過去記事で紹介した長岡高専生たちのように、また上記「参加者の発言」でもうかがえるように、サミットに集まった若き起業家たちは、これからの世の中や人間にとって「真に価値あるもの」を求め、それを提供することにチャレンジしようとしている。「金もうけ=成功」という旧来の価値観にとらわれていないように見える。
こうした“新しい感覚と志”を持つ若者と、それを支援する関係者の尽力によって、起業や技術革新におけるエコシステムが長岡で生まれつつあると実感しているところだ。

価値の転換が起きている今こそ、若者によって、大きなチャンス!──といえるのではないか。
若い起業家が長岡で次々と誕生し、活躍していくことは、これから起業を考えている人、学生、市内で働く若者世代、そして子どもたちにとって、大きな刺激となるだろう。


首都圏の企業が長岡市にサテライトオフィスを開設する動きが出てきた。市街地再開発事業「米百俵プレイス(仮称)」の先行施設NaDeC BASEが、起業家、参入企業、投資家、そして長岡の産業界の皆さんにとって、新しい交流の場=コミュニティになるよう、関係者と力を合わせて育てていく。
そして、起業・創業のエコシステムが構築され、長岡市の産業全体に活力が生み出されるよう、これからも若者の起業・創業への支援に全力で取り組んでいきたい。

長岡起業家サミットin NaDeC BASE

 

 

 

学生起業家プロフィール

■大石 克輝(株式会社ビッグストーン代表取締役)
長岡高専機械工学科卒業、1998年11月生まれ。
特殊減速機装置の受託開発を主軸に2018年11月創業。
現在はメカトロニクス・IoTアイオーティーデバイスリンクなどにも裾を広げ、様々な受託開発を請け負う。
□事業内容
ロボット等に使用されるユニットの新規技術開発
電子機器及びロボット等の設計・製作・販売・修理

■金澤 豊和(Baby Chaplin 代表)
2018年3月長岡造形大学視覚デザイン科を卒業し、イベントやマルシェなどで出張BAR出店や、結婚式場でのバーテンダーの経験を積む。2年間の独学の後、2020年2月長岡市坂之上町(長岡駅徒歩6分)に、ショットバー「ベイビーチャップリン」を オープンする。弟子入りせずに独学でのばBARバー起業は長岡では珍しく、日々悩み試行錯誤しながら、カクテルと向き合いお店に立っている
□店舗概要
長岡駅前の坂之上町で、ショットバー「ベイビーチャップリン」を営んでいる。
長岡造形大学で学んだデザインを生かし、カクテルを提供している。
「あなたをイメージして作ります オリジナルカクテル」が人気メニューの1つ。

■新山 大地(株式会社サケアイ 代表取締役社長)
2018年3月に八戸高専電気情報工学科卒業後、同年4月に長岡技術科学大学情報・経営システム工学課程3年に編入。
長岡市主催のリーンローンチパッドプログラムに参加。そこで考案したビジネスプランで、学生スタートアップ支援補助金に採択された後、2020年2月株式会社サケアイを設立。
□事業内容
飲んだ日本酒をAIが解析してあなたに合う日本酒をおすすめするアプリサケアイを提供。

■横山 和輝(株式会社プロッセル 代表取締役社長)
長岡高専 専攻科修了。長岡高専在学中の留学先フィンランドでのビジネスコンテストで優勝。帰国後、学生団体プロッセルを立ち上げ2020年6月に法人化。
□事業内容
「誰でも起業を目指せる環境」を目指すプラットフォームのソフトウェア開発と完全オンラインのビジネスコンテスト型インターンシップを提供。

■株式会社 IntegrAI(インテグライ)
代表取締役:矢野 昌平(長岡高専 研究推進准教授)
設立メンバー:ソドゥさん・ノムハさん
モンゴルから長岡高専門 電子制御工学科へ留学。
2019年の全国高専ディープラーニングコンテストで最優秀賞と企業賞を受賞。
長岡高専のプログラムの一環でつくった製品が大きな需要を生んだことが、株式会社IntegrAIインテグライ立ち上げのきっかけとなる。
□事業内容
製造業などで使用するメーターをAIカメラで読み取り電子データ化できる装置を開発

■高野 宙(株式会社THE TWOツー 代表取締役)
大阪芸術大学卒業後の2010年5月、映画監督になることを目指し、単身渡米。
New York Filmフィルム Academyアカデミーで映画制作のMFA(美術学修士課程)を修了、フリーの映画監督/アートディレクターとして、ピクサーやアカデミー受賞監督作品へのアートワークを手がける。
2020年12月には「物語で地域と人、時をつなぐ」をミッションに掲げ、地元長岡市で映画制作会社 THE TWO,Incを創業。
□事業内容
映画(映像)企画・制作、映像講師

■細木 真歩(株式会社雷神 代表取締役)
長岡工高専 在学中
2019年 命の大切さを学ぶ教室全国作文コンクール警察庁長官賞受賞
2019年 タイ日サイエンスフェア参加
2020年現在長岡高専 電子制御工学科4年
2020年10月株式会社雷神起業
□事業内容
高齢者こまいぬスマホ教室、AmazonEcho導入サポート、IT個別相談室

■渡辺 麻衣香(すまいるカフェ 代表)
2019年4月に東京・中目黒にある憧れのコーヒー店で働くために上京。
いつか地元・長岡にカフェを開くという夢を叶えるため、長岡市の補助金「長岡市学生起業家育成補助金」を利用し、すまいるカフェを開業。
□店舗概要
笑顔と幸せが溢れ、思い出に変わる体験型カフェ

■北原 雪菜(合同会社発酵を科学する研究所 代表社員)
2014年3月、新潟県立長岡高校理数科卒業、同年に長岡技術科学大学入学。その後、生物機能工学課程へ。卒業後、現在は5年一貫博士課程技術科学イノベーション専攻に在籍。長岡市の学生起業家支援補助金に採択後、2021年1月に合同会社発酵を科学する研究所を設立。
□事業内容
長岡産のお米や野菜をつかい、微生物の営みである発酵による「長期的・持続的な健康」という価値観を人々に届ける。発酵製品の開発・製造・販売・受託研究開発、共同研究開発

■片岡 翔太郎(株式会社マヨラボ 代表取締役)
長岡技術科学大学 技術科学イノベーション専攻 1年
情報・経営システム工学課程学部4年次に(一財)未踏のAIエーアイフロンティアプログラムに採択され、AIによる工場作業の解析について研究を行った。プログラムを通して研究内容が評価され、経産省からAIエーアイフロンティアパスファインダー(他1人と共働)として認定されている。
□事業内容
人類とAIエーアイが共に働く世界の実現をミッションに、2020年後半から株式会社マヨラボの設立に向けて活動を開始。


   関  連  記  事: 「長岡発 学生ベンチャー」   「チャレンジは止まらない」
   
「長岡発アフターコロナビジネス」