今、地方への移住定住のムーブメントが起きているという── この背景には何があるのか?

次にあげた日本の課題は、
実は、どれもこれもながらく 未解決のままであったり、あるいは現在日本が直面している根本的な課題だ。これらの解決に「地方分散」が重要な方策となることが地方移住のムーブメントを引き起こしている原因ではないだろうか?

 

・東京1極集中を解消しなければ、日本の人口減少問題は解決しない。
 夫婦1組から生まれる子どもの人数は、首都圏で平均1人、地方では1.5人。

南海トラフ地震首都直下地震などの大災害に備え、生産拠点や居住の地方分散が必要。
 南海トラフ地震は「マグニチュード8~9クラスの地震が30年以内発生する確率が70~80%」。

・コロナ禍によって急拡大した「テレワークによる在宅勤務」は、今後も拡大し定着する。

・健康な生活を第一とする価値観の変化で、地方の生活環境の再評価が今後も進む。

 

このような流れを捉え、長岡市も昨年4月、「移住定住相談センター」を開設して、移住定住に関する相談や情報発信を体制を整えてスタートしたところだ。

 

 

■ 100件を超える相談に対応

 

移住定住相談センターでは、これまでに100件を超える相談に対応。内訳をみると約9割が20~40代、約6割が首都圏在住者であった。

窓口のほか、電話やオンラインLINEでも相談を受け付けている。約半数の相談がLINEで行われ、気軽に相談できて利用しやすいと好評だ。平日の日中(市役所の業務時間内)であればその日のうちに回答を行っているため、ネット時代に即応したレスポンスの速さが認められ、移住先候補の中から長岡を選んだ方もいる。

「長岡のはじめ方」トップイメージ▲移住者のインタビュー動画やイラスト説明などで語りかける


今年の3月には、ポータルサイト「長岡のはじめ方」を開設し、移住希望者が必要とするさまざまな情報をまとめて発信している。6つのエリア(シティ、タウン、産業、田園、中山間、シーサイド)に分けて、希望するライフスタイルに応じた魅力や情報を掲載しているのが特徴だ。

また、情報発信メディア「な!ナガオカ」と連携し、長岡で暮らす人にフォーカスした情報を発信中だ。移住生活のリアリティをイメージできるよう工夫している。ぜひご覧いただければと思う。

 

 

■ 働く場としての長岡の魅力発信

 

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移住を検討している方向けに、オンライン個別相談会を定期的に開催している。NAGAOKA WORKERながおかワーカーに代表されるリモートワークを活用した新しい働き方と「転職なき移住」をテーマとした相談会も行ってきた。

 

3月18日(金)に開催した「移住×企業×リモートワークのリアルを伝えるオンラインセミナー」では、首都圏在住の方など想定を超える113名の方が視聴してくれた。

 

「移住×企業×リモートワークのリアルを伝えるオンラインセミナー」左から野崎義朗さん(長岡市企業誘致アドバイザー)/木下博貴さん/月岡光里さん/伊藤綾さん(長岡市移住定住アドバイザー)/ オンラインで渋谷修太さん

 

パネリストは、長岡にもサテライトオフィスを開設したフラー㈱渋谷修太さん、昨年9月にリモートワーク移住をしたKUNOくの木下博貴さん、この4月からNAGAOKA WORKERとして働く月岡光里ひかりさんなどで、それぞれに長岡で働く魅力をホットに語ってくれた。

 

 

 

■ 新年度に向け新たな取り組みも

 

移住者を対象に空き家のクリーニングやリフォーム等の費用の補助制度を新設【受付中】
移住者同士の交流会の開催【5/6開催予定】
 移住者と移住検討者の交流の場で、先輩移住者から長岡暮らしリアルを紹介してもらう。
③ お試し移住の実施【計画中】
 ミスマッチやギャップを未然に防ぐトライアル制度でハードルを低くする。空き家の活用にもつなげる。

 

今後も、他地域とは一味も二味も違う「ながおか」をアピールしてゆく。人を育てる米百俵のまちから発信するまち情報は、まさに長岡ならでは、だ。市民一丸となって、自信をもって移住者の受け入れを強力に進めていこう。移住や関係人口の増加による新たな出会いや交流を通して、長岡にさらなる活力をよびこみ、相乗的に、新しい価値、新たな未来、につなげていきたい。


   関  連  記  事:  新しい働き方”コ ワーキング” “責任ある未来づくり”

 タイトル画像:
 アオーレ長岡「移住定住相談窓口」(東棟1階)。

このほか、ながおか魅力発信課内(東棟3階)に移住定住相談センターを開設している。