高齢化と人口減少(過疎化)によって、コミュニティの維持が困難になりつつある地域が増えている。特に、中山間地域(山古志/小国/栃尾/川口地域)の 課題は大きい。
日本の陸地面積の7割を占めるという中山間地域では、豊かな自然環境の中に暮らしの文化が息づいている。森林保全による水源のかん養や土砂災害防止など、重要な役割も担っている。
こうした地域で、集落〜安心な生活の維持〜がだんだんむずかしくなってきているのである。
担い手不足による田畑の管理・除雪への不安、集落行事が減って顔を合わせる機会が少なくなるなどなど──久しく指摘されてきたので、都市部の方でも想像できると思う。
小国大貝集落のよったかり場お披露目会
この日、かって集落の行事などでふるまわれていた
大貝そば〜つなぎは山ゴボウの葉とふのり〜が復刻
すでに長岡市では、集落支援員(平成29年度から配置)が活動し、集落でそれぞれに頼もしい存在になっている。交流の場となる「よったかり場」をオープンさせ、定期的意識的につながることで安心空間もつくってきた。
集落支援員は、お茶飲み会を開いて悩みごとを聞き取るほか、くらしに寄り添って関わり、過疎地域でもちゃんと「見守られている」という安心感につなげてくれる。新年度は、中山間地域だけでなく支所地域も含め配置を広げていく。
今、新型コロナウイルスで危機感が高まっているが、仮に不測の事態が起こっても親身に対応してくれるだろう。
今後、単身高齢者の増加と地域の担い手の減少が加速化していく…。見守りや移動、除雪など生活面のサポートを、いかに効率よくカバーできるかが課題だ。お年寄りの脇に可愛いペットロボットがいて安否確認をしたり、必要な情報を伝えたり、さらには話し相手をする──こうした新しい技術の導入も必要だろう。
令和2年度 事業概要
●集落に寄り添い、見守る「集落支援員」増員配置 (25,241千円)
新たに8名を配置し、計18名とする(継続10名+新規8名)
≪継続≫小国3名(専任2(大貝、三桶、苔野島),復興支援員兼務1(八王子))/栃尾4名(西谷、半蔵金、中野俣、入東谷)/川口1名(復興支援員兼務1(田麦山)/寺泊1名(山ノ脇地域)/和島1名(和島全域)
≪新規≫中之島2名/山古志1名/寺泊1名/川口1名ほか
●高齢者の交流・見守りの場「よったかり場」立ち上げ支援【拡充】(2,000千円)
交流拠点づくりに取り組む集落に、集落所有の集会所や空き家等を活用した立ち上げを支援する。立ち上げ後の運営は集落が行う。
≪新規4か所≫寺泊2か所(山ノ脇地区2集落)、栃尾2か所(入東谷、西谷地区)を予定
※≪既設7か所≫小国5か所(H29八王子、H30大貝・法末、R1三桶・苔野島)栃尾2か所(H30繁窪、R1下来伝)
新規4か所を立ち上げると既設7ヶ所と合わせ、計11か所となる。
●ICTを活用した高齢者見守りの仕組みづくりを研究【新規】(919千円)
○協働型プロジェクトによる課題抽出
①人とICTの連携で見守り体制を構築 ②高齢者の能動的発信力及びサービス受援力の向上
※ 市,集落支援員,IT事業者,大学生などでプロジェクトチーム編成
○課題解決の実験
モデル集落高齢者がスマホやAIスピーカーでアプリ操作を体験→活用イメージ取得→課題発見→解決の見出し
(アプリ例:LINE、GPS(見守り)、CREW(交通)、原信NS(買物)、YUVO(除雪)など)
○オープンイノベーションによる開発
課題と解決の方向性を定めたら、オープンイノベーション等の手段で解決策の開発を進める
関 連 記 事 : イノ.シカ.クマ.サル
タイトル画像: 栃尾栗山沢集落のお茶飲み会で