農業は自然が相手だ。どんなにがんばっても、お天道さまには勝てない。
今年のコメ作りも、夏の異常高温のため、コシヒカリの一等米比率が過去最悪の7.5%(前年は87.3%。長岡市・小千谷市・見附市のJA管内)となってしまった。※ 等級は下がっても食味に大きな影響はないので、安心して新米を味わってください。

 

なかおか農業まつりながおか農業まつりにて

 

 

現在、日本の農業は、農業機械や資材・肥料・農薬も含めて、多くの資源と技術が投入されている。さらにイノベーションが進み、きっと、異常気象に強い品種や資材も開発されるだろう。農業への投資はさらに大きくなっていくに違いない。

 

一方で、「近代農法」の対極にあると捉えられているのが「自然農法」だ。
福岡正信著『わら一本の革命』という本がある。福岡さんはアジアのノーベル賞と呼ばれるマグサイサイ賞を受賞した自然農法家で、不耕起・無肥料・無農薬・無除草の農業を提唱した。
実は私も借りた畑で20年ほど野菜作りをしたが、あるときこの本を読んで、不耕起・無肥料・無農薬・無除草に近い栽培を試みたことがあった。結果はともかく──、自然農法の奥深さを肌身に実感したものだ。

福岡さんの「自然にすべて委ねる農法」は産業としては成り立たない。収量が少なく、野菜の見た目がよくない上に、農家の皆さんが考える農業とは正反対の農法で、周囲の田畑に迷惑がられるからだ。

 

今あらためて、異常気象、資源の枯渇、人工的な食べ物による人体への影響など深刻な問題を考えるとき、福岡さんの「自然農法」を再び思い出すことになる。古くて新しい! 究極の循環型農法なのだと。

 

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