ラグビーワールドカップで、日本代表をはじめ選手たちの活躍に感動した人は多いと思う。私もあらためてスポーツのすばらしさに興奮を覚えた。
一方で、日本のスポーツ界での不祥事の告発は続いている。競技団体やチーム運営の旧態依然な封建的体質や不正、一部役員の利己的なふるまい、指導者の暴力・パワハラ・セクハラ・・・。たびたびこうした報道に接すると、手放しでスポーツ賞賛!という訳にもいかなくなる。
とりわけ、子どもたちに関しては、指導者・保護者をはじめ各関係者が責任をもって配慮しなくてはいけない。
そして何よりも、何のために子どもたちはスポーツをやるのか、そこから何を学び取り、人生に向かっていく力を得ていくのか、ということをわれわれ大人が真剣に考える必要があるのではないだろうか。
タテマエや単なるお題目はやめよう。本気で──長岡の子どもたちに、良いスポーツ環境の中で夢や目標に挑戦してほしい。自分で考え、自主的に行動する“人間”に成長してほしい。──この願いを形にして前に踏み出さなくてはならない。私たちの子どもらのために未来への指針をつくろう!
こうして、『NAGAOKA SPORT Compass(長岡市少年スポーツ活動ガイドライン)』は“手づくり”で練り上げられた。
指導者やプレーヤーなど現場に関わるすべてのスポーツ関係者の意見をもとに、長岡市スポーツ協会が中心となって、競技団体・弁護士・医師などの協力で完成したものだ。携わった方々は、徹底的に議論を尽くした。民主的プロセスが展開されたという意味でも、ここから始まる皆の新しいスポーツの将来が楽しみだ。
結果として出来上がったのは、国のガイドラインの焼き写しではなく、自らの考えや感覚を手づからフィードバックしたものの集約となった。チームプレイのナイスモデルだと思う。このガイドブックを市民-行政協働で作成できたことも、私たちのスポーツによるまちづくりの成果であり財産であると感ずる。
それにしても、スポーツ界にあってこのプロセスは画期的なことではなかろうか?
ここをスタート地点とし、さらに生の体験を通して試行錯誤を積み重ねたら、ながおかスポーツコンパスは、子どもたちや青少年にとって、人生という大海を自らの意思で自在に航行するための、まさにコンパスに進化するはずだ。
まずは、このガイドブックの精神を広く伝えていきたい。スポーツをする子はもちろん、そうでない子、保護者、指導者、それを支える学校の先生や応援してくれるすべての人に。(ぜひご協力を!)
『NAGAOKA SPORT Compass』は今春にも長岡の子どもたちと、保護者、指導者を中心に配布することになっている。
関 連 記 事: 長岡ワークモデル
タイトル画像: 第19回いきいきスポーツ写真コンテスト大賞 池田勝晃さん(新保)の『技』 ▼ コンテスト入賞作一覧 〜画像クリックで大きくなります〜