米百俵プレイス ミライエ長岡が オープンして半年を迎えた。来館者のべ18万人を超える中、特筆すべきは、子どもたち・学生たちが新しい互尊文 庫を大いに利用してくれていることだ。冬休み期間中も読書や勉強に勤しむ姿が大ぜい見られた。米百俵の精神発祥の国漢学校跡地に誕生したミライエ長岡が、子ども・若者にとって学びやくつろげる場として利用されていることをとても嬉しく思う。

今回は、長岡の子どもたちのための「学校外の学びの場」についてお伝えしよう。

 

■  ミライエ クリエイティブキッズがスタート!

 

ミライエ クリエイティブキッズ(通称:ミラクリ)は、子どもたちがさまざまなことに興味を持って視野を広げ、学校では学べないことを学ぶチャンスを提供するワークショップだ。

プログラムは、彼らの感性を活かす3ステップ(イメージ図参照)で進む。シンプルだ。しかし、このサイクルを上昇螺旋的に繰り返すことで自分自身・・・・で探求する力が自然に身につくだろう。

現在までに、STEAMスティーム+D分野を中心におよそ20の講座を開催し、のべ参加人数は600人にものぼる。また、最初のワークショップへの参加をきっかけに、他分野の講座に申し込む子どもたちも多い。
※STEAM+D:Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Liberal Arts(芸術)、  Mathematics(数学)、Design Thinking(デザイン思考)

以下で、これまで開催してきた講座を紹介したい。(申し込み募集中の講座はコチラ

 

ひらめき動画をつくろう!(昨年8月6日開催)
ひらめき動画をつくろう!(昨年8月6日開催)

 

ミラクリ最初のワークショップとなったこの講座では、子どもたちがコマ撮りによるショート動画の作成に挑戦した。
講師である映像クリエイター・くろやなぎてっぺいさんの作品を鑑賞して、アイデアの作り方、動画の作り方を知り(①meet)、コマ撮りによる15~30秒程度のショートアニメーションを作成し(②make)、完成作品をみんなで鑑賞する(③show)という手順で進められた。ひらめきのコツを教わった子どもたちは目を輝かせながら動画づくりに没頭し、それぞれに力作を完成させた(参加者の作品集はコチラ)。
ワークショップを通して、テレビやネットで見るだけだったショートアニメを自分で創ることができると実感しただろう。この後、どのように自分の可能性を拡張してゆくか──ぜひともトライを続けてほしい。

 

わくわく☆ミラクリスマス!(昨年12月23日開催)

クリスマスに合わせ、楽しい思い出を作ってもらうイベントとして開催した。
バルーンアートやクリスマスリースづくりといった工作系から、プログラミング学習ソフトを使ったゲーム作り、カードゲームでSDGsを学ぶワークショップなど、幅広いジャンルから6つの講座が用意された。

参加した子どもたちは、ミライエ長岡が「楽しみ」や「わくわくすること」であふれていると感じてくれたはずだ。こうした気軽に参加できる楽しい講座が、ミラクリに継続的に参加するきっかけになることを期待している。

 

「つくっておして、消しゴムはんこを楽しもう」 6講座に延べ人数で約100人が参加した
「バルーンアートにチャレンジ!」  冬の楽しい思い出になったようだ

 

分身ロボットOriHimeで近未来を体験しよう!(昨年11月26日開催)

このワークショップでは、分身ロボットOriHimeオリヒメを使ったコミュニケーションを子どもたちが体験した。(開催報告はコチラ

子どもたちは、まず、病気などで外出が難しい人がOriHimeを通じて外の世界を覚知し、コミュニケーションをとって、働いたりする様子を見た。そして、実際にOriHimeを活用している人と遠隔で通話したり、子ども達自身がOriHimeを操作したりした。
ロボットに触れ、話すことを楽しむだけでなく、最新テクノロジーが人の助けとなり、実際に社会の中で役立つということを、体験的に理解してくれたのではないだろうか。

 

ミライエ長岡6階にスマートイノベーションラボを持つNTT東日本とともに、ロボットを使った会話や操作を体験するワークショップを開催

 

■オール長岡が協働協創

ミラクリは市内の教育機関や団体等の企画・協力による講座も多く開催されている。

こどもものづくり大学校(主催:長岡造形大学

科学探究塾 探究活動に挑戦!(主催:長岡地域理科教育センター

AIロボット・プログラミング体験教室(主催:ながおか技術教育支援機構(TESONA)

分身ロボットOriHimeで近未来を体験しよう!(市とNTT東日本が連携して開催)

 

こうした協力団体の得意分野や強みを生かした講座によって、学びの幅が広がり、未来を担う子どもたちの可能性が大きく花開くと期待している。協力団体の皆さんの「意気」に感ずるとともに、頭が下がる想いだ。

なお、ミラクリの企画運営にあたってガバメントクラウドファンディングを実施したところ、目標金額の7倍にもなる7,109,000円もの寄附が集まった。わずか1か月足らずで!「子どもたちの学びの場をつくりたい」との長岡の想いに多くの方々が賛同し、応援していただいたことに心から感謝したい。

 

 

これからもミライエ クリエイティブキッズをはじめとした「学校外での学びの場」を、市内の学校・企業・市民の皆様と連携して充実させ、オール長岡で、子どもたちが育つ環境整備を進めていく。それは長岡に受け継がれてきた米百俵の精神を、移り行く時代の中で、「今」に即して具体化することでもあると思う。

 

 

 

「ミライエ クリエイティブキッズ」チラシ(2023年度冬号)今月、来月にもワークショップを開催する予定

 
   関  連  記  事 :
 新しい互尊文庫 教育DXでグローカルな学び! “不登校”に寄り添う 

                
 タイトル画像 :
「ひらめき動画をつくろう!」(昨年8月6日開催)。

“見方を変えると身近なものが全く別のものに見えてくる面白さ”を、動画作成を通して学んでいた。