長岡市が米ハワイ州ホノルル市と姉妹都市になって今月で10周年を迎えた。
※ 2012(平成24)年3月2日(現地時間) に締結
戦災の悲惨な歴史──長岡空襲と真珠湾攻撃──を持つ両市は、「平和」をテーマに青少年交流や市民交流などを継続してきた。今日は、その足取りを振り返ってみたい。
これまでにホノルルを訪れた長岡市民は1,747名、ホノルルから長岡を訪れた人数は478名に上る。
この間、長岡市国際交流協会による中学生海外体験ホノルル訪問や学生平和交流プログラム in Honolulu、ハワイ高校生グループのホストファミリー による受け入れなどの交流活動はじめ、真珠湾追悼記念式典・ホノルルフェスティバル(毎年3月に開催)への参加を通して、両国の絆を深めてきた。
とりわけ、ホノルルフェスティバルで打ち上げられる長岡花火は大好評で、長岡の平和の想いがホノルルの方々にも理解され、受け入れられていることをうれしく思っている。
■感染禍の平和交流
2020年12月の真珠湾追悼記念式典は戦後75年の節目であったが、感染禍のため出席することはできなかった。そこで市と国際交流協会は、代替の企画として市民参加型のイベント「平和のメッセージを届けよう」を企画した。
道の駅「ながおか花火館」を訪れた約450名の方に記入してもらった平和のメッセージと写真を大型パネルに貼るイベント当日の様子を収録・編集した動画をホノルルへ届けたのだ(写真下)。
これに対し、ホノルル市のコールドウェル市長(当時)やワイパフ高校(2020年2月長岡市を訪問)の生徒からお返しのメッセージ動画が長岡に届けられている。この機会にご覧いただけたらと思う。
コールドウェル市長からのメッセージは こちら
ワイパフ高校生からのメッセージは こちら
昨2021年も追悼式典は欠席を余儀なくされている。が、活動は工夫のもとで続けられている。
■国際交流協会のオンラインによる青少年の平和交流
市内の小・中学校では「ホノルルオンライン平和学習」が活発に行われている。
今年1月、中島小学校のオンラインで平和学習では、6年生40名が、エドウィン・ホーキンス氏(前ホノルル市経済開発局長、長岡市国際親善名誉市民)のお話を聞いた。
ホーキンスさんからは、戦争当時のホノルルの様子や両市の平和交流の歩み、後世に伝えたいことなどのお話が日本語であり、その後、子どもたちが疑問に思うことに丁寧に答えてもらったという。
南中学校では2020年から真珠湾攻撃があった12月8日に、ホノルルの中学校とオンラインで平和交流を行っている。昨年は、2年生145名がミリラニ中学校の生徒15名とオンラインで対面した。南中学校から長岡空襲の被害について発表するなど平和学習の活動を紹介した後、両校の生徒が平和について意見交換を行った。生徒からは、「未来を担う私たちが、いろいろな人に平和や戦争のことを伝えていくことで、より良い日本や世界になると思う」といった感想が聞かれたそうだ。
現在、ロシアによるウクライナ侵攻によって、一般市民を含む多くの尊い命が奪われている。いかなる理由があろうとも、人を傷つけ人の命を奪う戦争は絶対にしてはならない。これからもホノルルとともに、世界に向けて平和のメッセージを発信していきたいと考えている。
感染禍の中でも、未来を担う青少年の間で交流が続き、平和学習や異文化理解が進んでいることは大変心強い。往来が復活したときに、より深く親密な交流が実現されることを期待したい。
次時代の子どもたちが「平和への想い」を共有し、文化・教育・経済などさまざまな分野で多様性を認め合いながら意思や気持ちを伝え合うことは、無理解による争いを未然に防ぐだろう。「未来志向」でホノルルとの絆を深め両市がさらなる発展を遂げられるよう「平和」をアピールしていこう。
関 連 記 事: ホノルルとの経済交流 青少年の国際交流 平和を架ける 未来につなぐ
タイトル画像: 長岡・ホノルル姉妹都市締結10周年記念にて(長岡アロハクラブによるフラダンスショー/3月5日 リリックホールシアター)