2月14日(月)の記者会見で、令和4年度当初予算案を発表した。
題して『 感染禍を乗り越え、新たな価値の創造による活力あるまちづくりを加速する 』

 

 

 

 

 

具体的には「市民生活の安定と向上」と「ポストコロナを見据えた経済の成長政策」を積極的に進めていくことに重点を置いた予算を編成した。

当初予算(案)の概要は、こちらから。

 

 

■健全財政の確立


令和4年度当初予算(一般会計)の規模は1,319億7,800万円で、前年度比1.4%の微増となる。
7年ぶりの増額となるが、令和2年度末に策定した「持続可能な行財政運営プラン」を着実に実施しつつ、新たな未来への投資を行うというスキームで、5年先まで健全な財政運営が堅持される見通しとなった。

令和3年度末で、約137億円の基金(財政調整基金・都市整備基金・減債基金)を確保するに至っている。このうち財政調整基金は約69億円で、ここから毎年10億円の財政調整基金取り崩しを予定しているが、いずれの年度においても、決算の黒字(予算制度の性質上、予算の執行残が見込める)によって基金を繰り戻し(積み戻し)するので、当分の間は、実質的に取り崩しゼロとなる見込みだ(直近の令和2年度決算では51億円の黒字)。


財政指標でよく話題になるのが「借入金の返済負担」を示す「実質公債費比率」だ。
これは1年間で自由に使えるお金(一般財源)のうち、借金返済にどれくらい充てなければならないかを示し、25%でイエローカード(早期健全化基準)、35%以上になるとレッドカード(財政再建団体に指定)となる。
長岡市の実質公債費比率は5.6%だ。
※ この比率は向こう5年間で2~3ポイントの上昇(7.6%~8.6%)に収まる見通し なので、健全財政を堅持しながら未来への投資を進められる。


とはいえ、
今後予想される経済変動、自然災害、新たな市民ニーズへの対応に備え、未来への投資も継続していかなければならないので、油断は全く禁物である。行財政プランを着実に効果的に実施して、基金の積み増しをしていきたいと考えている。

 

 

■重点施策からピックアップ

今日は、予算案の重点施策から「あらゆる分野における女性活躍の推進」、「子育て支援のさらなる充実」、「『新しい米百俵』による人材育成」の3つの施策を紹介しよう。

 

あらゆる分野における女性活躍の推進

産業経済/政治/行政/地域社会をはじめあらゆる分野で、女性も活躍する環境づくりが求められている。長岡での女性参画を進め、多様性のあるまちづくりをゆるぎなく進めていく。


・多様な活躍につながる機会の提供とネットワークづくりの推進(592万4千円)【新規】
 ➣多様な学びや体験ができる講座、機運醸成を図るフォーラム、女性からのアイディアコンテストの実施

・起業・創業の支援(220万円)  
 ➣女性の起業のための実践的体験プログラムを実施【新規】

 

子育て支援のさらなる充実
 母子健康手帳

 

➣さまざまな子育て支援を通して、出産育児はじめ子育ての不安軽減を図り、子育て日本一を目指している長岡市は、妊娠・出産・育児を切れ目なく支援する。

 

 

母子手帳交付時に配る子育て情報冊子,パンフレット (「子育てガイド」など)

・「マタニティライフ応援金制度」の創設(1億5,316万1千円)【新規】
 ➣妊婦さんに祝意と敬意を表し、5万円を現金給付する。

子どもの医療費助成の対象を高校までに拡充(7億8,760万2千円)<拡充>

 

 

 

子どもの発達相談における支援体制と組織連携の強化(2,752万2千円)<拡充>

子ども家庭センターの「ながおか子どもの発達ガイドブック」。センターでは成長に応じた相談窓口を紹介している。
 
 
 

「新しい米百俵」による人材育成

来年から順次オープンする「米百俵プレイス ミライエ長岡」の整備を進めることで、長岡版イノベーションの推進にアクセルをかける。以前のブログで紹介した、オープンに向けた準備・活動NaDeC BASEでナデックベースの活動がより一層活発化するだろう。
また、一人一台のタブレット端末を活用した長岡独自の教育の充実をはじめ、デジタル技術を活用した人材育成を加速させる。


・「米百俵プレイス ミライエ長岡」の開館準備(6億9,806万6千円)<拡充>
 ➣図書館の開設準備、子どもラボなど各種プログラムの実施、リニューアル移転するNaDeC BASEナデックベ-スのコンテンツ制作

・「Edu-Diverエデュダイバー構想」の推進(3億2,024万2千円)
 ➣高度で多様な教育を支援するための教育情報プラットフォームの構築【新規】

 

5階の起業/創業/産業支援フロアは、4大学1高専と産業人とのイノベーションの拠点になる

 

 

現在、人口減少・少子高齢化に加え、地方分散の流れの加速やデジタル技術の活用拡大などによって、さまざまな変化が生まれている。これら変化にしっかりと対応し、ポストコロナのまちづくりの方向性を示してゆく必要がある。

 

予算編成にあたっては、こうした明確な目標意識のもと、庁内各部門において、

「だれもが暮らしやすい、安全安心なまちづくり」や「そのためのいしずえとなる人材育成」

といった政策課題に対して、市民ニーズにできるだけ応えようと検討を重ねてきた。担当部局が作り上げた予算(新年度の政策)の内容からは、今まで導入に取り組んできた「デザイン思考」の成果が出てきたという手応えを感じている。

もちろん、予算編成はスタートである。
目標に向かって着実に成果を生み出すよう予算執行のプロセスを管理し、新たな価値創造につなげ、サステナブルな未来ある長岡を実現していきたい。

 

令和4年度当初予算案は、3月4日(金)に開会する長岡市議会3月定例会で審議される。


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 タイトル画像:
 タブレット端末を活用した授業の様子。写真は阪之上小学校