9月1日、長岡市の下水道課の企画が、令和2年度国土交通大臣賞(循環のみち下水道賞)「広報・教育部門」を受賞した。 名付けて「合格祈願 マン ホールカードお守りで受験生を応援!」という。(タイトル画像)
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と思われた方に、マンホールカードのココロをご披露する前に、この賞の紹介を先にしておこう。
同賞は、「循環のみち下水道」のコンセプトに基づく優れた取り組みを表彰するもので、今年の受賞は、若手職員の発案による長岡市ならではの広報活動が評価された。長岡市の受賞は、平成11年の長岡中央浄化センター消化ガス有効利用事業が、同賞の前身となる建設大臣賞を受賞して以来21年ぶりとなる。
マンホールカードとは:「下水道広報プラットホーム」が企画・監修するカード型の下水道広報用パンフレット。コレクションカードとしても人気が高く、コレクター(通称マンホーラー)もいる。平成30年4月に長岡市のカードを含む第7弾が配布された。最新は第12弾。シリーズ累計667種類535自治体。
幅広い世代に“縁の下の力持ち”である下水道への理解を広めたい──。下水道課の若手職員が考えついたこのアイディアは、下水道の頼もしさを受験生のお守りに化身させた「お守りカード」となった。
マンホールカバーは丸い!
(マンホールもまるい)
= 全部 〇
マンホールカバーは、絶対に落ちないように設計されている
=絶対合格!
マンホールカバーは滑らない
=安全合格!
まちを土台から支えている下水道設備の顔ともいえるのがマンホールの蓋。近年はデザイン化、カラー化が進んで、歩く人を楽しませている。さらに、カード化されて収集対象になっている。
8カ月前の今年1月、長岡市では、マンホールの特徴を「合格」に結び付け、メッセージを添えて職員が心を込めて手作りした「合格祈願マンホールカードお守り」を、受験生に無料でお配りした。
配布日には、受験生やその親御さんなどで長蛇の列ができ、1時間ほどで用意した100セットがなくなった。見事合格した皆さんからお礼の手紙もいただき、職員はやりがいを感じながら職務にあたっている。
これから受験に臨む学生の皆さんのために、来年に向けて職員が新企画を考えているので、ぜひご期待いただきたい。
市長に就任した際、私は、「新しいチャレンジ、新しい政策を職員のみなさん一人一人が考えてほしい。自由闊達な議論で、市民の幸福のために明るく活気のある市役所をつくっていこう」と市職員に訴えた。今回、国土交通大臣賞という形で、若い職員の新しい取り組みが評価されたことを大変うれしく思う。
コロナ禍対応で、100事業を超える支援事業(118事業・約45億円の予算補正)を実施したが、私が示した大筋・大枠に従って、職員スタッフは具体的な事業内容を発案、創意工夫の上、実現している。
さらにこれから、市民の皆様の生活をどう支えていくのか、みなが緊張感をもちながら知恵を絞り、実行することが大切だと考えている。私はその先頭に立っていく決意だ。
♦長岡市の下水道
下水道は、汚水や雨水の排除、公共用水域の水質保全など、快適な生活環境を確保するための重要な施設であり、その歴史は長岡市と深い関係がある。
明治33年、最初の下水道法が制定された。制定の立役者は、当時、内務省衛生局長で医者でもある長岡市出身の長谷川泰だ。泰は、戊辰戦争後、野口英世も卒業した「済生学舎(現日本医大)」を創設し、明治期の医者の半数以上を育成したほか、東京府病院長、衆議院議員等を歴任。伝染病研究所や京都大学の創設、コレラ感染症対策や下水道法制定等に貢献するなど、日本の医学教育と公衆衛生の礎をつくり、それらは現在の感染症対策につながっている。
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