2月も終わろうとしているのに、豪雪の収束はまだ先のようだ。

長岡市は2月7日(金)に雪害対策本部を設置し、 山古志地域に災害救助法が適用さ れた。
12日(水)には、2月臨時会で除雪経費や要援護世帯への除雪支援経費など約5億円の補正予算を、21日(金)には3億円の専決処分を行った。引き続き除雪を万全に行い、市民の安全・安心な暮らしを守っていく。

豪雪ではあるが、長岡市内で交通上の大きな支障は出ていない。物流、産業活動、生活は普段通りといっていいだろう。しかし、自宅前などの除雪や雪下ろしは大変な作業だ。作業中の事故も絶えない。

そこで長岡市は、昨年3月に「長岡市地域安全克雪方針」を策定し、除雪作業中の事故防止や担い手確保など、除雪活動を取り巻くさまざまな課題解決に力を入れて取り組んでいるところだ。くれぐれも、除雪中の安全には十分に配慮していただきたいと思う。

今回は、そうした大変な労力と安全対策を要する除雪の常識を変えるかもしれない「無人除雪機」の話題だ。

■除雪無人化への挑戦

長岡鉄工業青年研究会ながおかメイカーズ・クラブは、市の補助金を活用し、これまで無人除雪機の開発に取り組み、このたび2月12日(水)に試作機が公開された。

鉄工業青年研究会が製作した屋根用の「長岡雪路(ゆきじ)」は、無線操縦で動き、硬くなった雪も粉砕し後方へ送りながら進む。米収穫のコンバインをイメージすると分かりやすいだろう。今年度は平地と傾斜面で動作確認を行い、来年度以降に屋根上で実験を行う予定だ。

メイカーズ・クラブが製作した玄関先用の「ながおか雪蔵(ゆきぞう)」は、無線操縦に加え、AI(人工知能)を活用して、カメラで認知した人や障害物を避けながら自動走行ができる。積もった雪を前面のブレードで押し出す除雪方法が特徴だ。

この2台の試作機は、10㎝ほど積もった「ながおか新産業創造センター(NBIC)」の敷地内で除雪実験を行った。両機とも除雪性能は確認できたが、「雪路」は重さが80kgあり、屋根への運搬や落下防止策が今後の課題。「雪蔵」は、長時間の稼働に際しての充電方法などが検討課題となった。

現在、農業分野では長岡高専長岡技科大卒業生によるベンチャー企業「FieldWorks(フィールドワークス)」が製作した自動草刈ロボットが既に実用化されている。ものづくり産業と4大学1高専の研究者・学生の協力によって、無人除雪機が実用化される日も遠くないだろう。

少子高齢化・人口減少により、除雪の担い手不足や多発する事故への対策が求められる中、無人除雪機への期待はますます高まる。「朝起きたら玄関前がきれいに除雪されていた」というような、「除雪無人化」への挑戦を引き続き応援していきたい。

   関  連  記  事 :  デジタル時代の克雪都市 除雪イノベーション

 

 タイトル画像 : 

玄関先用無人除雪試作機「ながおか雪蔵(ゆきぞう)」(開発:ながおかメイカーズ・クラブ)