雪国長岡での再生可能エネルギー導入促進プロジェクト」が始まった。事業総額11億円 (5年間)の注目プロジェクトであるので、 お知らせした い。

市民・事業者による太陽光発電設備の導入や、エネルギー収支をゼロ以下にするZEHゼッチ (net Zero Energy House) 住宅(=省エネ住宅)化を支援するものだ。
長岡市は、環境省の地域脱炭素移行・再エネ推進交付金の対象として選定されている。これは、現在に至るまで市が取り組んできた雪国対応の太陽光パネル実証実験(過去のブログ参照)の成果や、長岡市省エネ・再エネ産業振興プラットフォームによる活動が高く評価されたことによるもので、今回のプロジェクトを後押ししている。

これを弾みとして、長岡市地球温暖化対策実行計画の目標達成を目指し、令和10年度までを太陽光発電設備などの普及強化期間として、重点的に対策を進めていく予定だ。

 

それでは、詳しく紹介しよう。

 

中央図書館の壁面に設置した雪国対応太陽光パネル
ZEH住宅のイメージ(資源エネルギー庁HPより)

 

 

■雪国での再生可能エネルギー導入促進

 

  • 実施期間令和6年度~10年度
  • 事業総額11億円(実施期間5年間の総額)
令和6年度 令和7年度 令和8年度 令和9年度 令和10年度
5千万円 1億7千万円 1億7千万円 3億1千万円 4億円

 

  • 支援の概要

 

  • 申請期間(令和6年度分):7月5日(金)必着 
  • 申込/問い合わせ:長岡市環境政策課 電話:0258-24-0528 E-mail:kankyo@city.nagaoka.lg.jp
  • 申込に関する市公式HP

 

 

ZEH (ゼッチ) とは? 快適な室内環境を保ちながら、住宅の高断熱化と高効率設備により、できる限りの省エネルギーに努め、太陽光発電などによりエネルギーを創ることで、1年間に消費するエネルギー量が正味(ネット)で、概ねゼロ以下になる住宅

 

 

市では、プロジェクトの5年間を再生可能エネルギーの普及強化期間とし、住宅や事業所への太陽光パネル導入や新築住宅のZEH導入を幅広く支援する。併せて公共施設へのPPAピ-ピ-エ- (Power Purchase Agreement・電力購入契約) を活用した再エネ導入を促進していく。

 

■雪国でも太陽光パネルー新しい常識をつくろう

プロジェクトのねらいは、再エネ・省エネを促進して脱炭素社会への移行を進めることだが、実は、もう一つねらいがある。地元企業の脱酸素市場への参入だ。

現在、太陽光パネルの設置工事ができる市内事業者は限られる。雪が降る地域では、太陽光パネル設置工事量が少ないのが原因だが、雪国でも太陽光発電が有効となれば話は別だ。市の実証実験でも十分な実用性(通年で8割以上の発電量を確保)が確認されている。

このプロジェクトによる太陽光発電設備を導入する住宅は、約1,000件を見込んでいる。そこに市内事業者が参入することで、「環境問題の解決と経済の好循環」が実現することが期待される。雪国でも太陽光発電が活用できるという「新しい常識」を開拓していきたいものだ。

   関  連  記  事 :  雪国型太陽光パネル バイオ肥料で完結《生ごみの資源循環》 脱炭素社会へ アクセルON!

 

 タイトル画像 : 長岡駅ペデストリアンデッキに設置した雪国対応太陽光パネル

令和5年度エネルギー構造高度化・転換理解促進事業費補助金(経産省)を活用した「雪国対応の長岡産再エネ設備」の実証実験。長岡技科大や長岡駅ペデストリアンデッキ、中央図書館など13か所で実施。長岡では、雪が積もらない首都圏の8割以上の発電量を確保できることを確認