あらゆる分野でデジタル技術が導入されている。だが、少子高齢社会ニッポンにおいては、必要不可欠なデジタル化がなぜか進まない。 長岡市でも 、業務や各種サービスのICT化・デジタル化が急務と考えているが、マイナンバーの普及・活用が進まないのが最大のネックとなっている。というお断りをしながら話題に入りたい。
今回は、子どもたちを預かる公立園(保育園・こども園・幼稚園)でのICT活用=「コドモン」導入などについて紹介をしよう。
○スマホで保護者とつながる
業務支援ICTツール・コドモンには連絡・配信機能がある。保護者が専用アプリをスマートホンにインストールすれば、自分のスマホで園とのやりとりが気軽にできる。
まず、電話しなくても欠席連絡ができる。データで残るので確実に伝わるし、忙しい朝、職員が電話対応に時間をとられずサクサク対応できる。
もちろん、「おたより」や給食の献立表、連絡事項、各種書類もスマホに届くので、いつでも手元でその内容を確認できる。
また、スマホ経由での通信は、瞬時に全員に送信できるため、緊急対応にも適している。実際、最近の感染禍の中で、濃厚接触者への個別連絡や休園の一斉連絡にとても役立ったと報告を受けている。
※ 写真はスマホに届くお知らせ画面の一例
このように大切な情報を確実に、迅速に伝えることを可能とする技術の導入は積極的に進めたい。
○子どもたちの様子をビジュアル発信
各園では、日々の園児の活動の様子を、写真や動画で定期的に配信している。
保護者からは、「今までは園に行かないと子どもの様子がわからなかったが、スマートフォンから見られて便利」、「家族みんなで子どもの活動を見て楽しむことができる」といった声が寄せられ、好評だ。こういった保護者の声は、現場の保育士にとっても大きな励みになっている。
▲画像クリックで拡大します
○登降園の管理もスマホで
この8月からは機能を拡充し、すべての公立園でコドモンを用いた登降園の管理をスタートした。
QRコードを印字したカードを園内のタブレット端末にかざせば、園児たちの登園・降園状況をリアルタイムで把握でき、スムーズで確実な出欠確認が可能だ。さらに、この記録は自動的にデータ化され、長期データとして分析利用できる。園児一人ひとりの登校状況を可視化しておけば、保護者とのコミュニケーションの際などさまざまに活用できるはずだ。
各施設が定期的に受けることになっている監査のときにも役立つだろう。こうした業務の効率化で忙しい毎日に時間の余裕が生まれれば、自ずと保育の質も向上すると期待している。
ICT導入を進めるにあたっては、保護者や保育士への操作方法の説明はじめ、使い勝手の向上・機能の拡張のためにアップデートも必要で、継続的に現場をフォローする体制が不可欠だ。市では現場から声をフィードバックしてもらい、トータルな視野での成長的なサポートを用意したい。
ICTの活用は、デジタル技術によって今までの仕組みを新たな発想で変えること(=トランスフォーメーション)である。今後も、子どもたちと保護者のために、新しい技術で何ができるか考え、応用できる分野には新しい仕組みとサービスをたゆみなく導入していく。
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タイトル画像: 日常の保育の様子