1945(昭和20)年の長岡空襲から今年で77年を迎える。
現在判明しているだけで、1,488人もの尊い命が犠牲となった。さらに、 長岡から 日中戦争及び太平洋戦争の戦地に赴いた、8,996人もの市民が戦死している──。
今年も、私たち長岡市民が決して忘れることのできないあの8月1日を迎える。
「長岡市恒久平和の日」であるこの日に、市内各地で慰霊と平和を願う行事が催される。
■ 8月1日の平和関連行事
アオーレ長岡では「長岡市平和祈念式典」を開催する。
長岡空襲殉難者遺族を中心に、約200名の方が参加くださり、亡くなられた方への黙とう・献花、星野榮子さん(空襲当時7歳だったという) の長岡空襲のお話、中学生代表による非核平和都市宣言の宣言文朗読が行われる。
▲ 昨年の「長岡市平和祈念式典」(左は代表献花)の様子
式典後、3年ぶりとなる「ながおか平和フォーラム」を開催する。
市内中学生から募集した、平和に関する作文・ポスター・標語の入賞者9名による作品発表や、長岡空襲紙芝居「みちこのいのち」の公演を行う。
また、市民交流ホールAでは、1日(月)から3日(水)までの3日間、長岡空襲殉難者358名の遺影が展示される。「鎮魂たむけの花」として市民献花を実施するので、みなさんお立ち寄りください。戦災で亡くなられた方々への追悼と祈りを捧げ、平和の尊さを未来世代へと伝えていこう。
■ 戦災資料館を整備し、長岡空襲を継承
2003(平成15)年に開館した長岡戦災資料館では、これまで、延べ70名を超えるボランティアさんの活動により、長岡空襲を語り継いできた。しかし、年月の経過とともに、空襲を体験された方々やご遺族の方々は高齢となり、今後、空襲の事実を伝えていくことはますます難しくなっていく… 。
そこで市は今年度から、体験の伝承を未来につなぐため、戦災資料館の整備に着手した。
現在の互尊文庫の建物を改修し(互尊文庫の図書館機能は、来年夏に先行オープンするミライエ長岡に移転する)、長岡空襲体験画展示室や、空襲殉難者の遺影を展示した祈りの空間などを設ける予定である。戦後80年の節目となる2025(令和7)年度中の開館を目指し、殉難者の記録と遺族の想いを継承し、長岡市民の平和への願いを発信する場とする。形だけのものにしてしまわないよう市民の皆さんと共につくり上げ、育てていきたいと考えている。
■ 3年ぶりに大手通りで長岡まつりを開催
長岡の市民は一面の焼け野原から復興に立ち上がり、空襲の翌(1946)年8月1日には、「長岡復興祭」が開催された。不撓不屈の精神で復興を成し遂げた先人たちのその想いは、これからも「長岡まつり」に受け継がれてゆく。
今年は、感染防止対策と熱中症対策を徹底し、コロナをものりこえて3年ぶりに大手通り中心にまつり行事が開催される。
○1日 平和祭
慰霊神輿渡御、センバツ大民踊流し など
○2日/3日 観光ふれあい広場
長岡周辺の観光情報のPR・お土産物産館 など
○3日 わんぱくおまつり広場
歩行者天国イベント、お笑いライブ など
ウクライナ侵攻で戦争が他人事ではないと思う人が増えた。多くの人の命が奪われている。そして、食料の値段が高騰したり、エネルギーの心配が高まったり・・・世界はつながっているのだ。
長岡まつりを通して、空襲体験と平和への想いを、これまで以上に深く、強く発信し、次の世代に継承していきたいと思う。それが私たち長岡市民に課せられた責務だろう。過去は現在を介して未来につながるのだから。
3年ぶりに大花火大会を開催する。「慰霊・復興・平和への祈り」とともに、世界平和へのメッセージを長岡から発信しよう。
タイトル画像: 長岡空襲紙芝居「みちこのいのち」から(諸橋精光さんの絵)