「まちキャン」が今年の9月で10周年を迎えた。この機会に、当ブログでもご紹介しよう。
■既存の枠を超えた学びと交流
長岡のまちなかに「学びと交流の拠点」として平成23年にオープンした正式名 まちなかキャンパス長岡 は、市民と4大学1高専、長岡市の3者が協働運営している。多様な分野で多彩に活躍できる人を育てるため、“生涯学習”とか“社会教育”とかという既存の枠を超える講座を開催してきた。
多様化する社会ニーズに応え、一人ひとりの学びのステージごとにステップアップする講座体系は、多くの受講者に好評だ。
ステップアップする講座体系 ▼
これまでに実施した講座は、約900。その受講者は32,000人にのぼる。
お茶を飲みながら、気軽に受講できる単発講座「まちなかカフェ」はどなたでも参加できるスタートアップ講座で、「まちなか大学」「まちなか大学院」へとステップアップできるようになっている。
また、「こども講座」があり、さまざまなチャレンジと学ぶプログラムが用意されており、多世代をフォローしている。
■学びから市民活動へ
まちキャン10年の成果は、「学び」と「交流」を通して、自発的な活動=市民活動の実践 の動きへと広がってきたことだ。
そうした動きの1つ「Nagaoka みんなの子育てラボ」をご紹介しよう。
立ち上げたのは、まちキャン講座の受講後、まちづくり市民研究所「みんなで育てる・みんなが育つ~ソーシャル子育て長岡版~」の研究員として活動した皆さんだ(平成29年)。
みんなの子育てラボは「子育てサロン」や「子育てカフェ」などを開催し、子育てを支え合う仕組みづくりにチャレンジしてきた。ウイルス禍に遭遇してからも、FMラジオを通じて子育てに役立つ情報や親子で楽しめる読み聞かせ、コラムなどを発信している。不安を抱えがちな子育て世代だが、ラジオなら手を休めることなく聞いてもらえる。
みんなの子育てラボの活動は、まちキャンの理念である「学び」から、市民活動につながったモデルケースといえる。
長岡には市民活動を支えるながおか市民協働センターがあり、「学び」から「実践」までをスムーズにサポートできる体制が整備されている。市民共生社会を支える人材育成と市民活動支援によって、「協働によるまちづくり」をさらに推進していきたい。
■そして、市民協働へ
本年4月、人材育成と産業振興の拠点となる「米百俵プレイス(仮称)」の建設が始まった。
先月末にはその中の公共施設「人づくり・学び・交流エリア」の名称が、「米百俵プレイス ミライエ長岡」に決定した。
ここには、「互尊文庫」がリニューアル移転するほか、次世代を担う若者や4大学1高専の学生、青少年や子どもたち、産業界の方々、市民のみなさんなど、幅広い分野の多世代が交流するイノベーションの拠点となる。
令和5年度オープンに向け、まちなかキャンパス長岡は、「ミライエ長岡」と相乗効果が生まれるように、もっと開かれた学びと市民協働の場として発展させていくのが今後の課題だ。
河井継之助の精神的指針『知行合一』をめざせば、成果は自ずと顕れる。そのための常に進化する新しい「学びと市民協働の場」を、ぜひ皆さんと一緒につくっていきたい。
■10周年企画やってます!
最後にお知らせ━━
新型コロナウイルスの影響で、まちキャン10周年の感謝祭イベント等は中止したが、10周年企画の一部を開催中だ。
親子で楽しめる謎解きキーワードラリーも実施されているので、まちキャンの雰囲気や魅力の一端に触れていただけたらと思う。ぜひ、気軽にご参加を!
関 連 記 事: 市民協働10年。新しい協働へ われらが動けば
タイトル画像: 「まちなかカフェ」でのワンシーン