新型コロナウイルス感染症は、障害者就労支援事業所とその利用者にも大きな影響を与えている。
市は感染拡大直後、いち早く 事業所への支援(
過去のブログ )や、授産製品の販売やECサイトへの出店支援で、就労支援活動が継続できるよう取り組んできた。
今回は、障がい者の就労支援に関するトピックである。

 

 

福祉事業所商品マルシェ。感染防止対策を徹底して開催(7月27日アオーレ長岡ナカドマ)


■福祉事業所商品マルシェ


市では、
アオーレ長岡ナカドマを会場に、「福祉事業所商品マルシェ」を定期的に開催している。

これまで5回開催し、のべ来場者数はおよそ2,000人にのぼる(うち1回は感染拡大のため市職員のみに販売)。事業所で製造した食品・雑貨の販売を通して、多くの市民から事業所や障がい者の活動を知ってもらう場として定着している。回を重ねるごとにリピーターも増え、さらにはマルシェをきっかけに、事業所に足を運んで購入してくれる人も増えたという。

 

今月10日(木)のマルシェは、第72回新潟県民福祉大会(長岡市立劇場で開催)と共同実施された。県内各地から訪れた約650名の民生委員・児童委員の皆さんからも商品に触れ、元気に販売する障がい者の姿を目にしていただいた。

県民福祉大会会場でのマルシェ。過去最多の14事業所が参加(11月10日、市立劇場)

マルシェでは、障がい者自身が設営・撤収作業を担っている。販売による接客だけでなく、準備や片付けを通して得た経験やスキルが他のイベントに生かされているとの声も聞かれる。

長岡の事業所の運営の安定化と、障がい者のスキルアップにつながるよう、市民ぐるみで活動を下支えしていきたいものだ。

 

 

 

 

■アートとのコラボレーション


アオーレ長岡の「
福祉のカフェりらん」(トップ画像)は、市内8つの障害者福祉施設が共同で運営している。オープンから10年を迎え、販売や接客を通して障がい者と市民がつながる重要な場となっている。

今月から、長岡市出身の兄弟アートユニット「今井兄弟」との連携が始まり、りらんのスペースがオリジナルキャラクター「Telu Telu Boy」で装飾されている。今後、オリジナルデザインのコーヒードリップバッグも販売する予定だ。

このTelu Telu Boyには、差別のない世界、共助の精神、多様性などが表現されている。兄の翔太さんは、学生時代にりらんの実習に立ち会った経験があり、福祉に関心を持ち続けていたという。来年3月にアオーレで予定されている作品展示を計画する中で、りらんとのコラボが実現した。福祉への関心が広がるきっかけになればと思う。

 

 

 

■長岡市障害者協働ネットワーク


市内の障害者就労施設で構成された長岡市障害者協働ネットワークは、市内企業からの業務受注・連絡調整の窓口となり、障がい者の就労機会の確保や販路拡大を図っている。活動の特徴は次の二つ。

・依頼や相談の内容に応じた各施設とのマッチング
・地域資源を活用した新しいビジネス展開

 

ネットワークに加盟する「ワークセンターのっぺ」では、グリーンズプラント中越からの依頼を受け、廃棄されていたベビーリーフの茎を収穫する業務を請け負っている。収穫した茎は、同事業所の利用者が働く長岡崇徳大学の食堂「のっぺキッチン」で、サラダなどで提供されている。地元産食材のPRや食品ロスを減らしSDGsにつながる新たな取り組みが、障がい者の皆さんと共に進められているのだ。

「のっぺキッチン」の日替わりメニュー(550円)。この日のメニューはチキン南蛮。サラダのベビーリーフ、ごま和えの春菊や漬物の大根はワークセンターのっぺで収穫されたもの

 

こうした新規事業に関する相談は着実に増えている。長年にわたる事業所とその利用者の地道な就労活動により、「障がい」を持つみなさんが、働き手として広く認知され、評価され、ニーズが生まれているのだ。

市としても、さらにさまざまな分野・場面に障がい者の活躍のフィールドが広がるよう取り組んでいく。

 

 

 

 

 


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 タイトル画像:
   福祉のカフェりらん