都会生活より地方生活の方が新型コロナの感染リスクが低い ──この事実は全国的に実証された。これに加え、首都圏に住まなくともテレワークで 仕事ができるじゃないか──という体験的理解が急速に進んでいる。
IT系はもとより、日立、富士通、NECといった大企業も、コロナ後のテレワークを標準化することを表明している。
長岡企業の多くも、出張の代わりにオンラインで会議や打ち合わせ、営業するのは便利だし、支出カットになると実感しているようだ。
新型コロナウィルスは「密」な大都市の感染リスクを浮き彫りにした。私たちは分散を基本とした新しい生活様式を定着させ、感染症に強い国にしたいと考える。感染症に抵抗力を持つ適度な「疎」は地方にある。東京一極集中のリスクを直視し、地方への人の分散にカジを切るときである。R2.6.28 日本経済新聞社説から
コロナが収束しても、変わり始めた社会を引き止めることはできない。
好きな場所で在宅勤務できるなら、自然豊かな所で子育てしようと考える高所得者層が現れるだろう。
長岡を、地方移住のムーブメントに積極的・戦略的に応答させたいと考えている。
会社・組織・団体などの拠点の分散化も積極的に受け入れたい。
世界的に展開されるサプライチェーンが感染症禍で分断される現状を改善すべく、一部を国内回帰させる方針を国は示している。製造業の分業は長岡の十八番である。
コロナ禍は長期化し、終息したとしても、ことあるごとにまた未知の感染症がやってくるだろう。南海トラフ地震や首都直下地震といった巨大地震に備える必要だってある。これは確定的なリスクだ。
コロナ後の世界と大規模災害に適応するために、企業活動も個人の居住も集中から分散に転化することが必須だ。
ただし───
地方であればどこでもいい、というわけではない。
子育て教育環境の充実/医療福祉の充実/健康な生活に欠かせない水・空気・食/排他性のない開かれた地域社会/高齢者も障がい者も安心してくらせる街/遊びやエンターテインメント etc.
といった魅力ある生活空間がなければ、流れを呼び込むことはできないだろう。
経済的な蓄積と発展性も大きな要素だ。こうしたものがないとまちに元気と活力が出ない。
学生を受け入れ産学連携を担う充実した高等教育・研究機関も必要だ。その点、長岡には十二分な環境がある。
何といっても、まちのスピリットというべきものがしっかりしている長岡へは、自信を持って全国のみなさんをお誘いできる。
分散の受け皿づくりが、これからの大きなテーマ。ピンチをチャンスに変えていきましょう!
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タイトル画像: 信濃川河畔(左岸)にたつ三島翁像のシルエット