「多様性」といえば、日本でも従来から「生物の多様性」や「生物多様性基本法」の文脈で話題にされてきた。しかし、何と言ってもいま多様性(ダイバーシティ)を語るなら、ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会の日本代表チームだろう。
異なるものを受け入れると、多様なものが結びつき、力を合わせる──ここに、前へ進むエネルギーが生まれる。「異質」と排除したくなるのは、実は自分の偏見と弱さに過ぎないのではと感ずる。インタビューを受ける代表メンバーのだれもがオープンで、守りや言い訳の構えが皆無であるのに驚く。
組織や企業においても、個人においても、いじめをなくし、外に開いた関係を作り、 多様性を志向しないものは、この変化の時代に新しい道を切りひらくことは望めない。組織は単一性ではなく多様性。社会は排除ではなく包摂。
外国人人材を採用したい、という経営者から「能力があるのか不安」とか「使ってみないといい選択かどうか分からない」といった話をうかがうことがある。それは当然なのだが「わが社はその若者に評価されるだろうか?」「求めるものを与えることができるだろうか?」「仲間として受け入れる心の準備をしているだろうか?」と自問してくださることで、外国人人材のよりよい定着が上手く実現するはずだと思う。
外国から夢を抱いてやってくる有能な若者が長岡に定住するよう、経営者の皆さんのご尽力をお願いするとともに、市も生活環境の整備などに継続的に取り組んでいきたい。住んでくれるということは、「長岡はよいまちだ!」との評価であり、わがまちの多様性が一歩進んだことになるのだから。
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