長岡市立科学博物館では、今年度からの新企画「博物館講座」を開催している。 この講座は、博物館の学芸員が調査・研究の成果を、自ら市民の皆 さんにわかりやすく紹介するものである。

同館は県内最初の登録博物館であり、昭和26年(1951年)の開館以来、長岡の自然や歴史、文化に関する専門的な調査・研究を続けてきた。自然分野も含むこれほど多くの専門分野を有する公立博物館は全国でも稀有な存在だ。

今回は、科学博物館の「知」から気軽に学ぶことのできる特別講座についてご紹介する。

■多様な専門分野に触れてみよう!

本講座では、地学、植物、昆虫、動物、歴史、民俗、考古、文化財といった各分野の学芸員がそれぞれのテーマで講師を務める。各研究室が連続して講座を行うのは今回が初めての試みだ。

講座の内容は、『研究報告』に掲載された研究成果の紹介をはじめ、常設展示や企画展に関連した内容、新収蔵資料の紹介など多岐にわたる。博物館の展示をより深く理解できる内容となっているのも大きな魅力である。

  • 日時:6月~来年3月までの毎月第3木曜日
    • 8月のみ第3土曜日
  • 会場:さいわいプラザ1階 科学博物館交流室
  • 定員:各回15名(8月のみ10組)
  • 申込み方法:電話またはホームページから
    • 科学博物館 Tel: 0258-32-0546
  • 申込み期間:各回、前月の10日~前日まで

科学博物館のホームページ(本講座のイベント情報)はコチラ

第1回は「戦災と震災の歴史学-近現代の長岡を歩く-」をテーマに6月19日に定員いっぱいで開催された。7月開催分も既に満席となり、盛況だ。

■夏休み特別企画は子どもたちにオススメ

第3回(8月開催予定)の「クワガタムシを飼ってみよう」も、残念ながらすでに満席となっており、興味のある方はぜひ夏休み特別企画「長岡カブト・クワガタ学」を楽しんでいただきたい(2025年7月12日~9月15日)。前回開催された2023年には、会期55日間で約12,000人の来場者を記録した人気企画だ。

今年は、科学博物館が収集した、県内に生息するすべてのカブトムシとクワガタムシの標本展示に加え、国内外の希少なカブトムシ・クワガタムシの生体展示も行われている。地域の昆虫の多様性と魅力を身近に感じられるとともに、世界の昆虫たちにも出会える貴重な機会となっている。夏休み前だが、オープン2日間で1,226人と、多くの来館者でにぎわいを見せている。

昆虫好きの子どもたちはもちろん、大人も思わず見入ってしまう迫力があり、新たな展示や体験コーナーも充実。今年の夏休みは、親子で楽しみながら学べる最高のフィールドが、科学博物館に広がっている。

博物館講座とあわせて、この夏は科学博物館で「学び」と「体験」に満ちたひとときを過ごしてもらえればと思う次第だ。

科学博物館は、単なる知識の提供にとどまらず、長岡という地の魅力を再認識し、地域への理解と愛着を育む機会を提供している。こうした地道な学びは、未来のまちづくりや地域の活力にもつながっていくと確信している。今後も、市民の皆さんの学びの場としてさらに充実を図っていきたい。

   関  連  記  事 :  教育DXでグローカルな学び! 学校外でも学べる “ミラクリ” 栃尾美術館にようこそ! 歴史文書アーカイブ〜未来のために 科学博物館70周年

 

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令和7年度 博物館講座のチラシ