エソ」という魚をご存じだろうか?? 九州では高級かまぼこ原料として重宝されているそうで、 温暖化による海水温の上昇で寺泊沖でも 獲れるようになった。しかし、こちらではなじみが薄く、そのままでは小骨が多くて食べづらい。…で、大量に捨てられている(寺泊では1度の網入れで一艘いっそうあたり60~150kg)という。

エソのように大量廃棄、雑魚ざこ扱いとなっている魚は他にもあるという。
もったいない!

 


この“もったいないmottainai”を有効利用すべく、学生さんたちが料理キットを考案した。販売して広めたら地域にも地球環境にも貢献するグッドアイディアだ。味付けはタイ料理(発案者の1人はタイからの留学生)。試してみようという消費者マインドに、キットはうってつけと思う。

 

いろいろな意味で評価できるこのアイディア、「地方創生☆政策アイデアコンテスト2020(主催:内閣府地方創生推進室、共催:経済産業省)の関東ブロック大会[高校生・中学生の部]を勝ち抜き、みごと関東経済産業局長賞を受賞した。

 

 

表彰式がアオーレ長岡で行われ、受賞した山口ひよりさんとチャルーンナパーラット・ナパットさん(長岡高専2年)が市長室を訪ねてくれた。

 

同賞の[地方公共団体の部]で受賞し、全国大会に進む原洋介さんと服部祥吾さん(長岡市地域おこし協力隊)のチームも一緒に報告にきてれた。※受賞内容は末尾記載

 

地方創生☆政策アイデアコンテストは、地域の現状・課題を地域経済分析システムRESASリーサス)で分析し、政策アイデア=解決策を競うもので、今回受賞の長岡市の2組を含む42組が地方審査を勝ち抜いた。※応募総数1,307件
全国一次審査(11月27日)で10組に絞られ、最終審査会(12月19日)で地方創生担当大臣賞が選定される。

 

授賞式後の懇談(右から山口ひよりさん、チャルーンナパーラット・ナパットさん、原洋介さん、服部祥吾さん)

今回の受賞の選定ポイントは3つあった。
 ① 目的と手段が明確であること
 ② 関係者をうまく巻き込んでいること
 ③ 地域愛にあふれた取り組みであること

ありがとう、地域, Love!
そして、地球, Love !!

 


ウイルス禍で、「健康な生活」や「健康をつくるための食べ物」が大きなテーマになってくる。高い技術を誇る長岡のものづくり産業に加え、農業や漁業、食品産業のさらなる発展を目指して、バイオエコノミーを長岡の産業の大きな柱に育てたいと考えている。

今回受賞したアイデアがビジネスにもつながることを期待したい。

 

食べられる部分を切り取ってミンチに

 

丸めて平たくし、さつま揚げに

 

ナパットさんが母国タイの味付けでソースを考案

 

試食会

※バイオエコノミー :Bioeconomy
   バイオマス(生物資源)やバイオテクノロジーを活用して、気候変動や食糧問題といった地球規模の課題を解決しながら、持続可能な成長を目指す経済活動全般もしくは考え方のこと

 

■関東経済産業局長賞を受賞した2件
①高校生・中学生の部
長岡高専物質工学科2年 山口ひよりさん、チャルーンナパーラット・ナパットさん
  長岡の漁業を分析して付加価値のある魚料理のキットの開発を提案。寺泊の漁で捨てられている魚を活用し、留学生の協力の下、外国料理キットを販売するアイデア。

②地方公共団体の部
長岡市地域おこし協力隊 原洋介さん、服部祥吾さん
地域経済分析システム(RESAS)への新たな機能を提案。寺泊の漁を例に、1回の漁で廃棄処分される魚の数を予測する分析機能を加えることで、未利用資源ビジネスの可能性情報を提供するアイデア。

 

 タイトル画像:  雑魚からざるに選り分けられたエソ。(寺泊)
  関  連  記  事 : チャレンジは止まらない