教育インフラ進化〜ステージクリア !

本年の3月、長岡の子どもたちへのタブレット配布=1人1台 が100パーセント達成の運びとなった。 同時に、学校の通信ネットワーク工事もすべて完了した。
※ 対象は長岡市立の小中学校と総合支援学校

これにより、教育の現場インフラとしてICTアイシ-ティ-(情報通信技術)を整備する計画の第一段階がクリアされた。教育ICTの土壌ができたわけだ。

 

 

さあ、ICTを使いこなそう!
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これをうけ、市教育委員会では教育振興基本計画を改定し、その中で重点項目の一つとして掲げた「Edu-Diver構想」の取り組みをスタートさせた。

・EduエデュDiverダイバーEducationエデュケーション(教育)とDiversityダイバーシティ(多様性)を融合させた長岡市独自の造語
・キーワードは「誰一人取り残さない教育」
・一人ひとりの子どもに最適な学びを! これを保障するため、多様な教育支援をする

 

 

活用事例、なう


現在、日々の授業にとどまらず、さまざまな場面でICT活用が行われているが、「誰一人取り残すことなく」の思いで取り組んでいる事例をご紹介したい。

 

<入院中の児童・生徒の授業参加>

病院に入院中の児童(生徒)にもタブレットを配り、オンラインで朝の会や授業に参加できる環境を整備した。
朝の会などで教室のテレビに病室の児童(生徒)の姿を映すことができ、授業も、クラスメイトと同じ時間に一緒に受け、学習できる。児童(生徒)の自席に置かれたタブレットを通して発言もできるのだ。さらに、休み時間に、タブレットを通じたコミュニケーションを同級生らと取ることもできる! (試行しながら運用開始したところ)

現在、市内3つの基幹病院の協力で取り組んでいる。担当医や看護師から、「病院内でクラスの友だちに会い、呼びかけ合うことで、本人が非常に喜んでいたのが印象的」と好意的に受け止められている。闘病の励みにもなるのではないだろうか。

 

和島小学校の朝学活〜入院中の児童がテレビに映り、互いに伝わるものがある




<映像通訳による日本語指導の支援>

昨年度、「NaGaOKaながおかオープンイノベーション」の一環として、先生が外国語を話す子どもや保護者と会話する際に、多言語映像通訳サービスを利用する実証実験が、市内小中学校4校で行われた。

この結果、機械通訳では難しい日本語のニュアンスや文化の違いを踏まえた臨機応変な通訳がリアルタイムで可能となり、子どもたちとのコミュニケーションが円滑になったと評価された。学校生活の支援を始め、個別指導など学習支援にもおおいに活用できるだろう。

 

通訳オペレータを介して外国語を話す児童生徒や保護者と会話 (宮内中で)

以前から多くの学校で、外国語を話す子どもや保護者とのコミュニケーション方法に課題を感じていたという。今回の結果を踏まえた今後の取り組みに期待したい。



あらゆる可能性が待っている


ICTアイシ-ティ-を利用する機会が増え、今後、学校現場からもさまざまな活用アイデアが生まれるだろう。現場の先生からは、「教育委員会からICT活用の全体像が示されているため、ICTの活用方法について相談しやすく、アイデアを形にしやすい」との声が寄せられている。先生方にはぜひ、授業方法の効率化・勤務状況の合理的な改善の手立てとしても考えてほしい。

○○したいという思いを実現させる方法を、イノベーティブに考えていこう。

 

さらに、企業等による特別授業や、4大学1高専等との連携による発展的な学びの展開も視野に入れて進める予定である。取り組みに当たっては庁内関係部局との連携も視野に入れており、そこでまた発想がインスパイアされ、多彩に連鎖するイノベーションの創出につながってもらいたいと期待している。

もちろん、子どもの学びの場は学校だけではない。社会の中にも多様な学びの場をつくっていく。多様性ダイバーシティの時代にふさわしい多様な学び、一人ひとりに最適な学びの保障を長岡人らしいオープンマインドで進めていこう。






   関  連  記  事: スクールICT
 タイトル画像:
病室(長岡赤十字病院)で学習する入院児童