今年度の長岡市のふるさと納税寄附額が、40億7,483万3,209円、寄附件数は13万5,472件と、金額・件数ともに過去最高を更新した(1月15日現在)。

この機会に、長岡のふるさと納税について深堀りしてみようと思う。

■「長岡ファン」の獲得

長岡市は、事業者とアイディアを出し合いながら、魅力的な返礼品のラインナップを作ってきた。170以上の事業者から約950件の返礼品を提供されており、寄付者の皆さんから大変喜ばれている。このことは、長岡の産品・製品の質の高さの証明だと感じる。

今年度、返礼品の約8割が米である。長岡産コシヒカリの人気が高く、毎月米が届く定期便が好評だ。今年度の納税寄付の伸びについては、米不足と米価高騰の影響もあるだろう。

そのほかには、国の地理的表示保護制度(GI制度)に登録されている、中之島大口地区の大口れんこんがある。シャキシャキとした食感が特徴で、野菜ソムリエプロの緒方湊さんもお気に入りだという。ふるさとチョイスの特集記事はコチラ。また、昨年、テレビ番組で取り上げられ話題となった栃尾のあぶらげなども、安定的な人気を得ている。味の良さはもちろん、その厚さ、大きさが特色だ。

返礼品のカテゴリー構成

順位品目返礼品(例)比率
1長岡産コシヒカリ(定期便)82.6%
2長岡の銘酒飲み比べセット4.9%
3工業製品ポータブル電源、ゴルフクラブ2.6%
4牛ヒレステーキ、ローストビーフ2.4%
その他漬魚詰め合わせ、長岡花火チケット7.5%
※令和6年11月末現在

ふるさと納税ポータルサイト「ふるさとチョイス」を介して、年間1,000件以上の心温まるメッセージが届いているので、その一部を紹介しよう。

  • 長岡のすばらしい米作りがずっと続くように願って、応援しています。(沖縄県・40代)
  • 18から24歳までの6年間、長岡技大生として暮らしていた長岡は、僕の「故郷」です。学生時代にお世話になった皆さんやそのご子息、「今」長岡市民になっている後輩たちの役に立てれば嬉しいです。(神奈川県・50代)
  • 二度の大戦禍から立ち直った街、河井継之助と山本五十六の街、花火と魚と蕎麦の街、駅前が魅力的な街、訪ねて嬉しい街、長岡は大好きな街です。(東京都・70代以上)
  • 2日に初めて長岡花火大会を見に行き、感動しました!あんなに壮大な花火大会が開催できるなんて本当に大変な事と思います。少しでも長岡のみなさまに貢献できるようふるさと納税させていただきます。(東京都・40代)

寄附者の皆様には、返礼品に添えて手づくりのお便りを作成し、感謝の気持ちを伝えている。ふるさと納税が市の貴重な財源の一つなのはもちろんだが、同時に、寄附者の皆様から長岡市への応援や激励であるとも言える。

コマーシャリズムやマスコミュニケーションの介在なしに、かつて住んでいた方や、観光で訪れた方が、長岡という土地の持つ文化・風土の魅力に感じ、評価してくださっている。このことは、本当にありがたいことだ。また、そうしたメッセージを受け取り、活かしていくことで、更に長岡は良い方向に変わっていくことができるだろう。

この現状に甘えることなく、引き続き、ふるさと納税制度を通じて「長岡ファン」となってくださった皆様の期待に応えるよう、長岡の魅力発信や地域課題の解決などを全力で進めていく。

■ガバメントクラウドファンディングも好調

ふるさと納税型クラウドファンディング「ガバメントクラウドファンディング(GCF)」(過去のブログ)も好調だ。

これは、長岡市の課題解決や新規事業のため、具体的なプロジェクトに共感していただける方から寄附を募るものだ。寄附による資金調達だけでなく、施策のPRにもなっている。

今年度は15プロジェクトがあり、ほぼ目標金額を達成した。

「花火のまち、長岡」が挑む!観光まちづくりによる地域活性化プロジェクト』は、目標金額7,000万円の約2.8倍となる1億9,730万円、『長岡花火とともに世界平和を発信!戦災資料館移転事業』も目標2,400万円の約2.2倍の5,295万8,000円が集まっている(1月24日現在)。いずれも「長岡花火」を冠したプロジェクトにしたことで、そこに出資者を惹きつける“引力”が生じたのかもしれない。

こうした長岡ならではの強みを活かし、今後は、長岡花火チケットやECサイトの顧客データ、いわゆるビッグデータとの連携をより一層進め、ふるさと納税制度を通じて長岡のさらなる魅力発信を行っていく。そうした取り組みの中で、ひいては長岡の関係・交流人口が拡大していくことに大いに期待したい。

   関  連  記  事 :  ふるさと納税 ⦅長岡の場合⦆ GIマーク”大口れんこん” 

 

 タイトル画像 : 

長岡市ふるさと納税HPより