eスポーツが広がりを見せている。9月24日から中国・杭州で開催される第19回アジア競技大会で、eスポーツが初めて正式競技として採用された。アジア最大のスポーツの祭典で金メダルを目指して競い合うeスポーツプレイヤーの姿は、若者や子どもたちに大きな夢を与えるだろう。日本代表の活躍が期待される。
わが長岡においても、以前のブログ記事で紹介した長岡eスポーツクラブから、「長岡eスポーツ少年団」が4月に誕生した。市でも、市内スポーツ推進委員向けのeスポーツ体験会を開催するなど、普及活動をスタートさせたところだ。
今回は、長岡市のeスポーツの新たな動きの紹介である。
■eゲートはどこでもドア
まずは支所地域からと、6月に栃尾地域交流拠点施設「トチオーレ」、寺泊文化センター「はまなす」の2か所に、eスポーツスペースを整備(それぞれゲーミングパソコン5台を設置) し、週2回、利用料無料で e GATE をオープンした。
※ 8月31日までの利用者数:「トチオーレ」186人(開設日数27日)/「はまなす」69人(開設日数14日)
このe GATE のオープンは口コミで広がり、市外からの利用も増加中だ。9月9日(土)に、「はまなす」で「はじめてのeスポーツin寺泊」を実施したところ、親子連れを中心に、約300人がイベントを楽しんだ。当日は、寺泊チーム vs.ミライエ長岡チームの対戦会がオンラインで行われ、観戦者ともども大いに盛り上がった。
参加者の反応は、「家のパソコンより高性能でスムーズに操作できてびっくりした」「今回のイベントのため寺泊に来た。また利用しに来たい」と、大変好評だった。
年齢や性別、体格や障害、国籍や場所も関係なく、多様な人が一緒に楽しめるeスポーツは、地方の時代の支所地域において、地域活性化の起爆剤の一つとなりえるだろう。e GATE はどこにいてもオープン可能で外とつながることのできる扉だからだ。
次回は「トチオーレ」で10月29日(日)、「はじめてのeスポーツin栃尾」を開催する。ぜひお越しいただきたい。
eスポーツスペースや体験会・大会などを通じて、新しい思いがけないにぎわいや関係人口が生まれるだろう。未知数のたのしみだ。そもそもスポーツの起源は、人命を消費する戦争のかわりにゲームや試合形式でフェアに平和的に決着しようという考え方らしい──。
■さまざまな課題の解決にeスポーツを!
この8月から eスポーツ担当の地域おこし協力隊員が着任した。栃尾と寺泊のeスポーツスペースを拠点に、利用者に操作のコツや楽しさを教えている。施設で将棋を指していた高齢の方に声を掛け、将棋のオンラインゲームを体験してもらったり、反対に若者の利用者から施設のデジタル環境もついて提案をもらったりすることがあるという。
10月には65歳以上の方を対象に、太鼓の達人による脳活イベントをミライエ長岡で開催する。
eスポーツを楽しみながら認知症予防ができるとともに、ゲームを新たな趣味とする一歩になることも期待できる。
競技としてのeスポーツ普及はもとより、都市と地方などの地域間や年代間のデジタルデバイド(情報格差)の解消、若者の地域参画やデジタル人材の発掘、高齢者はじめとする認知症予防や、脳機能の活性化など、eスポーツを糸口に、多様な可能性にチャレンジしていきたい。
ゆくゆくはミライエ長岡をeスポーツの拠点とし、インターネットで各地域とつながり、さらには全国、世界へとその輪を広げていきたい。
たかがゲームと思われる向きもあるだろう。しかし、ここから広がる無限の可能性に期待したいと思う。わたしたち一人ひとりが、インターネットも利用しながら主体的に地域や社会と関わっていくことで、新しい社会関係資本が生まれる。興味のあること、できることから始めていこう。
関 連 記 事 : レッツ eスポーツ!
タイトル画像:
9月9日「はじめてのeスポーツ」(寺泊文化センターはまなす)
ミライエ長岡とオンラインでつなげ、対戦。勝利に観客も拍手