先月28日(日)、本格的な台風シーズンに備え、 住民参加型の防災訓練を行った。
この訓練は、令和元年の台風19号 の教訓から生まれた「長岡方式 の避難行動」を実践しようというもの。約90もの自主防災会から1,100人を超える市民の皆さんの参加があった。これに公共施設の管理者や市職員などを加え、総勢約1,700人規模での実施となった。
今回は、「大雨で信濃川が氾濫し、土砂災害が発生した」という設定で行われた──
○浸水想定区域内から区域外の車中避難場所への広域避難訓練
中島・新町・宮本・大島地区の約200名のみなさんが、それぞれの町内から悠久山公園駐車場とニュータウン運動公園駐車場へ避難する訓練に参加した。
○緊急避難場所の設営運営訓練
避難施設の利用方法を確認し、段ボールパーティションなど感染症対策物資の組み立てなども体験した。いざという時、市職員と地域住民の皆さんが連携して動くことが望まれる。
今回の訓練に参加いただいた方からの意見や感想をフィードバックしてもらい、訓練の検証をきちんと積み重ねてゆくことが大切だ。避難行動の実効性を高めてゆこう。
■ 防災タイムラインを作成しよう!
いざという時、命を守るためには、前もって避難行動を決めておくことが最も重要だ。
市は、学校や家庭で「わが家の防災タイムライン」の活用を進めてきた。
今年度は、新たに自主防災会向けの「わが町の防災タイムライン」を作成した。地域の自主防災会がそれぞれ「洪水になったら、どう行動するか」想定を整理し、時系列にまとめておけば役に立つ──行動開始のタイミングや役割の明確化ができる。
それに、「日ごろからどんなことをしておけばよいか」という視点で情報収集ができるはずだ。「非常時にだれに何を伝え、支援するか」などの把握も確実性が上がる。
今回も、タイムラインを踏まえた情報伝達訓練や避難訓練を意識し、いつ、だれが、どのような行動を取るかを具体的に確認していた自主防災会もあったと聞く。非常時であっても確実な行動がとれる長岡方式の避難行動が広まって欲しいと願っている。
「わが町の防災タイムライン」の作成にあたっては、中越市民防災安全士会から講師を派遣し、支援する体制を整えている。ぜひタイムラインを作成し、地域内で共有してほしい。昨今の異常気象は本当に要注意だ。早い段階での避難行動が必要となっている。
次は、要配慮者利用施設のタイムラインを作成し、「施設の防災タイムライン」の作成につなげていく予定にしている。
■ 地域の防災活動をサポート
今年5月、市主催で自主防災会や町内会長を対象とした防災対策基礎研修会を開催した。水害時の避難行動や自主防災会に求められる役割などを学んでもらった。
地域の防災リーダーの組織である中越市民防災安全士会では、自主防災会の実情やニーズに応じた幅広い支援メニューを用意している。こうした支援を積極的に活用し、地域の防災活動に役立ててほしい。
(防災安全士会の支援メニュー)
●防災よろず相談
防災活動の困りごとの相談窓口
昨年度は57団体からの相談に応じアドバイス
●講師派遣
わが町の防災タイムラインの作成支援
防災に対する各種講話
心肺蘇生法(AED)の技術指導
女性部による災害食講座などを実施
水害をはじめとする災害から命を守るためには、自助・共助・公助の連携が重要である。
市は市民の皆さんの自主的な防災活動を強力にバックアップして、水害に強いまちづくりを推進してゆく。信濃川をど真ん中にかかえる長岡のスローガンは洪水からの「逃げ遅れゼロ」。市民総ぐるみの防災力強化は、災害がないときもバックグラウンドで不断に動き続けている。
関 連 記 事 : “逃げ遅れゼロ”戦略
タイトル画像:
8月28日(日) 長岡市防災訓練。車中避難場所の1つ悠久山公園駐車場では、わが家の防災タイムライン講座やエコノミークラス症候群予防体操教室などの防災イベントも開催された。