東京オリンピック2020のテレビ観戦に熱が入っている人が多いのではないだろうか。

前半のハイライトの一つである競泳種目が終わった。低調だった日本競泳陣の中で、大橋悠依さんの金2個の活躍が燦然と輝いた。長く語り継がれることになるだろう。

ドルフィンズ大活躍!
世界水泳選手権の事前キャンプ(R1年7/9-16)の際、コーチらが栖吉小を訪問して5年生を指導。右側のローハン・テイラーさんは豪チームの現ヘッドコーチ。


市民の中には、オーストラリア選手を応援した方もおられると思う。
長岡での事前合宿は、「感染防止のため直前に選手村に入りたい」との意向で中止となり、ビデオメッセージでの応援となってしまった。成績はといえば、
オーストラリア競泳チームのメダル獲得数は、金9、銀3、銅8の計20個で、アメリカの30個についで、第2位だ。オーストラリア競泳チーム「ドルフィンズ」の活躍は、長岡にとっても誇らしい。心から祝福したい。

長岡市は、東京オリパラに向けて積み重ねてきたオーストラリア競泳との交流を、これからも続けていきたいと考えている。国際交流は、まちの「多様性」を体現する大切な取り組みで、特に子どもたちにとって、多様な文化や価値観をを肌身で感ずる貴重な機会となるのだから。

 

 

地球広場発「多文化共生」


全国に先駆けて、外国人市民の生活相談や自立支援・国際理解などの拠点として、平成13年にオープンした長岡市国際交流センター「地球広場」が、今年20周年を迎える。

現在、市内には約2,300人の外国人が暮らしている。4大学1高専があることから、留学生も多い。国籍を超え、気軽に立ち寄れる「地球広場」は、長岡で暮らす外国人の皆さんの日常生活に寄り添い、支える取り組みを行っている。 

○ 日本語を学ぶ

地球広場では外国人市民が日本語を学べる場、「にほんご広場」と「日本語講座」を10年以上も前から実施している。

「にほんご広場」は、市民ボランティアと外国人市民が、日常の交流をしながら会話の練習や日本の生活を学ぶのが大きな特徴だ。毎週水・土曜日、長岡に来たばかりの留学生や社会人が集う。協力している約30人のボランティアの中には、10年以上も続けている方もいる。ありがたい限りだ。

「日本語講座」では、「にほんご広場」よりも、もっと本格的に日本語が学べる。現在4人の講師が交代で教えている。講座に通うのは、高校や専門学校の留学生、外国人配偶者、技能実習生で、日常生活に困らないレベルまで、日本語が話せることを目標としている。

 

日本語講座で学ぶスミスさん(イギリス出身)とアニエルさん(コンゴ出身)

 

帝京長岡高校の留学生、コネさんとアニエルさんもこの講座の受講者で、「非常に楽しく日常会話が学べてありがたい」「おかげで学校の仲間と会話できるのが嬉しい」と話してくれた。
二人は同校のバスケットボール部に所属し、先日、地元長岡で開催されたインターハイでもチームに欠かせない存在として、好プレーを連発。これまでの全国3位を上回る準優勝に輝いた。異国の地で、彼らが実力を十分に発揮できるのも、日々の生活を楽しく過ごしてくれてこそと感ずる。

○世界が先生

「世界が先生」小学校で自国文化を紹介するルヒンさん(マレーシア出身)

地球広場では、外国人の皆さんの母国の言語・文化を活かした取り組みも行っている。「世界が先生-国際人材育成事業」だ。

県内の留学生を、市内の小・中学校、高校、コミュニティセンター等に講師として派遣し、児童生徒、地域の大人と一緒になって互いの文化を学び、理解し合う取り組みを実施している。

平成14年にスタートしたこの取り組みは、これまでに500人以上の留学生が学校や地域で講師となり、多彩な講座を通して世界の文化に触れる機会を提供してきた。
参加者は累計1万人以上に上る。受講した子どもたちは、異国の文化に触れるとともに、結果的に長岡の魅力を講師留学生に伝えてくれる。こうして、お互いを理解し合える関係を育んできた。留学生にとっては、異国の長岡で新たな自分の役割を見出し、自らが主役となり輝くことができる取り組みと言えよう。まさに「“多文化共生社会”を目指す長岡」が実現している。

 

少子高齢化・人口減少・経済のグローバル化が進んでいく中、外国人も含めた全ての人が輝き、活躍できる環境が求められてきた。くわえて、長期化するウイルス禍で社会はさらに大きく変化し、人や企業が大都市から地方都市に居住や経済拠点を移す「地方分散」の流れも加速している。

こうした流れをしっかりと捉え、多くの人から「選ばれるまち」になるためにも、ウィズコロナ、ポストコロナを見据え、国籍や文化が異なる人々がお互いの多様性を認め合い、誰もが暮らしやすく、活躍できる多文化共生のまちづくりに前向きに取り組みたい。

 

 

 

■にほんご広場
〇内容:「顔の見える交流」を目的に、日本語を学習する。会話の練習や日本の生活を学ぶ支援を行う。
〇期間:通年 (参加無料)
〇会場:長岡市国際交流センター「地球広場」
〇日時:毎週水曜日 午前10時~12時
毎週土曜日 午後1時~3時  ※祝日は休み
〇備 考:日本語を教えるボランティアは日本語の先生ではなく、一般の人

■日本語講座
〇内 容:先生と教科書を使って日本語を勉強する。ひらがなとカタカナの読み書きができる人が対象で、日常会話に困らないレベルまでを目標とする。
〇期 間:2021年度前期4月から9月まで ※後期は別途
〇会 場:長岡市国際交流センター「地球広場」
〇日 時
①初級Ⅰ-1:
毎週火・金曜日 午前9時30分~10時30/毎週日曜日  午前9時30分~11時30分
②初級Ⅰ-2:毎週火・金曜日 午前11時~12時/毎週日曜日 午後12時30分~2時30分
③初級Ⅱ-1:毎週日曜日 午後3時~5時
〇参加費:1時間あたり200円 ※別途テキストを購入

■世界が先生 -国際人材育成事業
〇内容:市民の国際理解の推進を目的として、県内の留学生やJICA海外協力隊員を講師として各団体に派遣し、各国の文化や体験談等を紹介する
〇期 間:通年
〇費 用:講師の謝金・交通費は国際交流課で負担(その他の費用は各団体が負担)

■問い合わせ先;長岡市国際交流センター「地球広場」
〒940-0062 長岡市大手通2丁目2番地6号
電話:0258-39-2714 FAX:0258-39-2715 
e-mail:kouryu-c@city.nagaoka.lg.jp





   関  連  記  事: 多様性の力 ベトナムの高度人材
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平成30年度のパンパシフィック水泳選手権の事前キャンプ(7月29日~8月6日)で地元小学生スイマーに指導するケイト・キャンベルさん。彼女は東京オリンピック開会式でオーストラリア選手団の旗手を務め、金2個、銅1個の大活躍をした。