映画「峠 最後のサムライ」が、いよいよ6月17日(金)から全国公開される。いうまでもなく主人公は幕末の長岡藩家老・河井継之助
である。 コロナ 感染症の影響により、3度の延期を経てようやく公開を迎えることができた。
県内各地でロケが行われ、延べ2,000人のエキストラが参加。長岡市でも900人が撮影に参加し、「自分の姿を銀幕上で早く確認したい」と映画公開を心待ちにしている人も多いようだ。
今月1日(水)、映画の宣伝特使である林修さんを迎え、映画公開記念講演会がリリックホールで開かれた。定員の3倍を超える申し込みがあり、会場は満席。林さんの人気はもちろんだが、映画公開への市民の皆さんの大きな期待を感じた。こうした機運の高まりを追い風に、長岡の魅力を大きく発信していきたい。
■ 企画展や本物の資料展示
河井継之助記念館では、映画公開初日の6月17日(金) から8月28日(日)まで、企画展「『峠』‐ 河井継之助は何を見据えたか」を開催する。企画展では、司馬遼太郎記念館(大阪府東大阪市)の監修による約20点の資料で継之助の人物像を多面的に紹介する。司馬遼太郎記念館が他の館と連携するのは初めてでご協力に心より感謝している。
今回、初公開となる河井継之助自筆書状も展示される。継之助が父親あてに書いた手紙で、旧日本互尊社から市に寄贈されたものだ。妻「おすが」への思いや、新潟湊に出没する外国船のうわさへの関心などが伺われ、たいへん興味深い。
長岡市立中央図書館では、現在、エントランスで小説「峠」に登場する人物の書や手紙を公開中だ(6月29日(水)まで)。スタッフの一押しは、河井継之助の三島億二郎宛て書簡だ。栃尾の陣にいた三島に戦略上の具体的な指示を送っており、長岡城奪還への強い意志が伝わってくる。大変興味深い一通だ。
また、「峠」関係図書コーナーが特設され、さまざまな書籍を通して、継之助の生涯や幕末の長岡の歴史を学ぶことができる。
同時に、和島地域の良寛の里美術館では、良寛晩年の書や良寛を敬愛した人たちの作品を集めた企画展を開催中(7月10日(日)まで)だ。河井継之助の父は良寛と親交があり、継之助自身も越後の3傑は「上杉謙信、酒呑童子、良寛」として、良寛を敬愛していた。当企画展でも、継之助の書を見ることができる。
映画からさらに広がる継之助の世界を、ぜひ多くの方からご覧いただきたい。
■ 映画鑑賞のお得なキャンペーン
市内の小中学生に、T・ジョイ長岡でこの映画を鑑賞する際、料金が通常の1,000円から500円になるなどの特典を受けられる補助券を配布した。長岡の将来を担う子どもたちに「ふるさとの先人や歴史にこれまで以上に興味を持ってもらいたい」と思う。
期間は、初日の6月17日(金)からT・ジョイ長岡での上映終了日までだが、先着2,000名までなので、早めのご利用を!
また、映画公開初日から9月30日(金)まで、映画の入場半券やスマートフォン等の予約画面、もしくは河井継之助記念館の入館券を市内対象店舗で提示すると、割引などのサービスが受けられるキャンペーンも始まる。現在、飲食店など75店舗が参加 (随時追加中のため詳細はHPで確認を)。どの映画館で見ても、その半券でキャンペーンに参加できる。みなさん、この機会に市内のお店にも足を運んでいただけたらと思う。
『峠』の作者・司馬遼太郎は、当時の厚生会館で開催された講演会で、「風が吹けばすぐにそちらになびく」日本の民族性を指摘し、「日本の歴史に河井継之助がいてよかった」と語っている(1971年9月21日、長岡高校創立100周年の記念行事・一般市民対象講演会「歴史と人生」)。
現在私たちは、明治維新に匹敵する世界の激動に直面している。そのようなときに、河井継之助が困難な時代を生き抜く指針を示してくれることを、あらためて長岡の大きな誇りとしたい。
いまようやく新型コロナウイルスの感染状況が落ち着き、医療機関のひっ迫の心配もない。感染防止対策を講じた上で、さまざまな活動を再開していこう。
今夏、3年ぶりに開催の長岡まつり大花火大会の準備も着々と進んでいる。活力と元気あふれる長岡を取り戻していこう。
映画「峠 最後のサムライ」の公開を追い風に、河井継之助の魅力を全国に発信し、県内外の多くの人から長岡を訪れていただきたいと思う。
関 連 記 事: 河井記念館の思い出
タイトル画像: 河井継之助記念館の企画展「『峠』‐ 河井継之助は何を見据えたか」の案内