3月から4月にかけて、多くの方が市役所窓口を訪れる。 就職・進学・転勤にともなう住所異動/戸籍届出で、窓口には通常期の2倍の方が来庁する 。
できるだけ簡便に手続きでき、窓口の滞在時間が短くなるように工夫しているが、正直なところまだまだこれからである。今後は、窓口だけでなく、市役所事務全体のデジタル化・オンライン化を加速していきたい。
■住所変更届書事前作成サービスを開始
今年の2月から、転入届/転居届/転出届の住所変更届書事前作成サービスを開始した。パソコンやスマートフォンから、引っ越し先の住所や名前などの情報を入力送信(電子申請)し、翌日以降に来庁して、返信メールに記載の受付番号を窓口に提示すると、窓口での書類記入せずに手続きができる(来庁の際は本人確認書類が必要)。
このほか、電子申請で住民票や所得・課税証明書等の各種証明書の窓口交付予約ができる。窓口での手続き時間が短縮されるのでぜひご利用いただきたい。
■電子申請の対象を拡充
このように、電子申請サービスを大巾に拡充させている。
申し込み・アンケートの回答などをはじめ、今年度、新たにインターネット(Web上のフォーム)から電子申請が可能となった手続きや申し込みは130を超える。
さらに、電子化・オンライン化で集計作業時間が大幅に削減され、業務の効率化にもつながってゆく。新たに電子申請化した業務の処理時間は、約2,700時間 (削減率 約52%) の削減が見込まれている。
■マイナンバーカードの普及
電子申請の拡大に欠かせないのが、マイナンバーカードの普及だ。
現在は、健康保険証としての利用のほか、長岡市でもコンビニで住民票や印鑑登録などの証明書が発行できるなど、カードの利便性を実感できるようになってきている。さらなる普及のため、国は「マイナポイント第2弾」キャンペーンを実施している。
市としても、事業所や町内会向けに出張申請受付を行うなど、交付を進めてきたが、今月からは、アオーレ長岡の隣の水野ビル(旧まちなか観光プラザ)に交付専用の臨時窓口を開設した。カード受け取りの予約も交付通知書(はがき)に記載のQRコードから可能である。※電話予約も可
国はデジタル庁をつくって、遅まきながら、日本のデジタル化を推進するとしている。市としても、デジタル化で利便性を上げ、サービスの向上を積極的に進めていく。
マイナンバーと顔認証と個人データを連携させ、スマホですべての手続きができるようにするべきだ(中国のように?)、という人もいる。これは不可避な流れかもしれない。だからこそ、個人情報の取り扱いは慎重に行い、プライバシーを安全に守らなくてはならない。デジタル化に馴染めない高齢の方などもおられる。個人の選択肢(意思)を尊重していきたいと考えている。
デジタル化・DX(デジタルトランスフォーメーション=デジタル化による改革)の急速な進展とともに、デジタル情報の漏洩・拡散による問題が拡大している。私たち一人ひとりに「モラルある情報の取り扱い」が求められている。教育現場や地域社会でも課題になっているところだ。
そして、個人情報をいかに守るか、権利の侵害に備えるか、そのためのシステムの構築は重要で、これは社会全体で取り組むべき課題だと思う。
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アオーレ長岡1階 証明書発行窓口、住所異動・戸籍届出窓口。
マイナンバーカード窓口やパスポートセンターとあわせて、市民課窓口には年間約11万人が手続きに訪れる。