真珠湾攻撃の12月7日(日本時間8日)、 丸山広司長岡市議会議長、高校・専門学校・大学生5人とともに、 真珠湾追悼式典に 出席した。
真珠湾に面した公園で行われた式典には米軍関係者など3,000人が参列し、日本からは唯一長岡市だけが正式招待を受けての参加となった。
真珠湾攻撃による犠牲者を悼み、生き残った軍人(survivor)を称えるこの式典は、あくまでアメリカ合衆国の国内の式典である。
そこに山本五十六の出身地である長岡市が招かれるとは、「なぜ?」と思われる方もおられるだろう。
式典で隣席だったホノルル市のコードウェル市長が、夜のクリスマス点灯式で、詰めかけた大勢の(数千人?)ホノルル市民に向け、こんなあいさつをしてくれた。私たちが感ずる「なぜ?」の説明にもなっていて感動したので、みなさんにお伝えしたい。
「今朝、私は真珠湾追悼式典に出席した。
式典ではここにいる磯田長岡市長が紹介されていた。
長岡はホノルルの最も新しい姉妹都市で、山本五十六の出身地だ。五十六は真珠湾攻撃を指揮したが、ワシントンD.C.で勤務した経験がある。彼は軍人として祖国に奉仕しただけなのだ。
そして、長岡は広島と長崎に原爆が落とされる数日前の8月1日に、アメリカ軍の空襲で多くの犠牲者を出した。
われわれは過去を忘れ、傷をいやさなければならない。そして、長岡とホノルルは共に、未来を明るいものにしようと努力している。今日、日米両国は平和の架け橋で結ばれている。
今も世界で恐ろしいことが起こっているが、家族、友人とともに、平和、愛、感謝、優しさを胸の中に感じよう」
2日後、真珠湾のフォード島にある軍施設内で日米共催の慰霊式が行われた。このとき、隣の席に思いがけない方がおられた。御年96歳という千玄室さん(15代千宗室氏)である。いわく、
「私は特攻の生き残りですから、それだけ平和への思いは強い。山本五十六のふるさとからこうして市長がこの席にいること、とても素晴らしいと思う」
日米共催の慰霊式 にて 私の左隣に千玄室さん、その隣は伊藤総領事夫妻、右に丸山議長
多くの方たちが、長岡の平和への願いに意義を感じ、共感し、評価してくれることを心に銘じたい。
式典でハリー・ハリス駐大韓民国大使と再会。昨年までアメリカ太平洋軍司令官
(在ハワイ)だったハリスさんは、この日、式典で最も注目を集めた来賓だった。
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冒頭キャッチ画像は、慰霊碑でもあるアリゾナ記念館