Eテレ特集「緊急対談 パンデミックが変える世界」で「スペインかぜ」が取り上げられていたので、メモしておきたい。
特に、感染には第2波、第3波があって強毒化した、という事実は要注意だ。

スペイン風邪に学ぶとしたら、現在の新型コロナ対策は、あくまで第1波の感染防止であり、収束のめどがついた後に、第2波、第3波の対策が必要になる可能性がある、ということになるだろう。
新型コロナにスペインかぜほどの脅威はない、と言えるかもしれない
。しかし、経済的な影響も含め、ここはリスクを最大限にみて、できる準備はしておく──これがリスク管理の王道だと思う。
SARSサーズMERSマーズ、2009年新型インフルエンザ、そして今回の新型コロナ、、と続いて発生している事実を考えれば、今後も新たな感染病の脅威は避けられない。今、できることをやっておくのは、そのための準備になると考えよう。

 

 

スペイン風邪の概要は以下のとおりである。
  ※ 詳細は、国立感染症研究所のQ&A

1 第一次世界大戦中の1918年に始まったスペインインフルエンザ(俗に「スペインかぜ」)のパンデミックは、被害の大きさできわだっている。
患者数:約5億人 (世界人口の3分の1)。死亡者数:全世界で4,000万人~5,000万人、一説には5億人とも。
日本では、2,300万人の患者と38万人の死亡者が出たと報告されているが、45万人という推計もある。

2 感染の第1波は1918年の3月に米国とヨーロッパで始まった。
感染性は高かったものの、特に致死性ではなかった(あまり重症化しなかった)。

3 第2波は、晩秋からフランス、シエラレオネ、米国で同時に始まった。10倍の致死率となり、しかも15~35歳の健康な若年者層においてもっとも多くの死亡者がみられ、死亡例の99%が65歳以下の年齢層に発生した。

4 第3波は冬、1919年の始めに起こった。
結果的に一年間に3回の流行がみられた。
死亡原因の多くは肺炎で、非常に重症かつ短期間に死に至った。最初の例が出た際にはインフルエンザとは考えられず、脳・脊髄膜炎あるいは黒死病の再来かと疑われたほどだった。

5 対策は、患者の隔離接触者の行動制限個人衛生消毒と集会の延期マスク着用公共施設(学校含む)の閉鎖集会禁止
しかし、伝播をある程度遅らせることはできたが、患者数を減らすことはできなかった。

6 オーストラリアは特筆すべき例外事例だった。
国境閉鎖によりウイルスの国内侵入を約6カ月遅らせることに成功。そのころには、ウイルスはその病原性をいくらかでも失っており、そのおかげで、オーストラリアでは、期間は長かったものの、より軽度の流行で済んだとされている。




 冒頭画像: Eテレ特集「緊急対談 パンデミックが変える世界」から
     スペインかぜの流行について述べた与謝野晶子のことば

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