県内においてもオミクロン株の感染が拡大している。(新潟県の実効再生産数はこちら)
しかし、 県内・市内の感染病床の利用率から判断すると 、重症者はゼロで、医療に大きな影響は出ていない。基本的な感染防止対策を励行していれば、今のところ右往左往する状況ではない。
とはいえ、コロナに関しては「何が本当か分からない」状態であり、政府方針や専門家の見解も変遷しているので、さまざまな心配や憶測が生まれている。
拠るべき情報は臨機応変に修正していく必要があるだろうが、現時点における基本的な情報を整理してみたい。
《オミクロン株》
①感染力が強く急激に感染拡大する。一方で、短期間で収束するとの指摘もある(沖縄県や海外の事例)。
②重症化率は低い。感染しても軽症あるいは無症状のまま治る人が多い。
③ただし、持病(基礎疾患)がある場合は合併症で重症化するリスクがある。特に高齢者は要注意。
《ワクチン接種》
オミクロン株への感染防止効果はそれほど期待できないとの意見もあるが、重症化を防ぐ効果は期待できる。一方で、重い副反応や、まれに心筋炎や心膜炎を発症した事例・後遺症の事例がある。
こうした点を踏まえたとき、ワクチンの3回目接種をどのように考えたらいいのだろうか。
もちろん、ワクチン接種は任意であり、感染・重症化・副反応などのリスクを、自分で判断して選択するのが原則であることはいうまでもない。そのうえであえて整理すると、
①高齢者(特に基礎疾患のある人)は、重症化を避けるために3回目接種を急ぐべき。
ワクチン接種によって重症化を回避することが「医療ひっ迫」を防ぐための最優先課題だ。
②30歳(40歳)以下で、副反応が強かった人は、3回目接種は慎重に考えたほうがいい。
基礎疾患がなく、かつ副反応や後遺症の心配がある場合は、しばらく様子を見るのも選択肢だと思われる。
③健康な子どもへの接種を急ぐ必要性は、現時点ではそれほど大きくない。
ただし、基礎疾患を持つ子どもへの接種は優先すべきだろう。基礎疾患がない場合には、自然免疫の方が将来のためには良いという考え方もあり、保護者はメリットデメリットをよく考えて判断いただきたいと思う。日本小児科学会は、「周りの大人が接種する」「基礎疾患がある場合は重症化防止が期待される」「接種には意義がある」としている。このうちの3番目はすこし意味不明ではあるが、長岡市においては、希望する子どもには迅速に接種を受けてもらえる体制を整えていく。
現在のもっとも大きな課題は「医療のひっ迫を起こさない」ことだ
重症化した感染者の入院が急増し、一般病床まで占有される状態になると、すべての患者が十分な治療を受けられないリスクにさらされる。こうした医療資源の消耗は絶対は避けなければならない。
●このたび県内全域に適応された「まん延防止等重点措置」は、まさに「医療ひっ迫」を避けるための措置である。中心となる政策は「飲食店への営業時間短縮の要請と協力金の支給」であるが、いま最も必要なのは、リスク因子のある方へのブースター接種(3回目接種)だと考えている。
長岡市は、長岡市医師会や医療機関等の協力を得て、65歳以上の接種を前倒しし、高齢者の追加接種を加速させる。
関 連 記 事: 新型コロナワクチン3回目接種へ
タイトル画像: 市の職員が市内1800店舗に直接出向いて時短要請の説明をしている。その後の見回りも実施する。